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無題

何者かになりたがる。
肩書きだとか、或いは役割りだとか。名前の上に付く、その何か。

家族の中で。あるいはもっと広く社会の中で、拾っては歩き捨ててはまた別のものを拾う。
二重三重に重ねながら、重かったり安心したり。
道連れにし、くたびれたものを愛おしむことが増えた。

やがて葉の色を変える木々。それを知りながら眺める花に誓った日々。
巡る年月が一巡する日まで一年を切ってわたしは、どれほどの人と巡り合い語り合ってきたのだろうかと、思う。

取りこぼしてしまう程小さく、それでも広がり伝わる想い。
後悔に明け暮れた日々ですら、打ち消さずにいよう。アルバムは、いい具合に黄ばんでゆく。

名前の上に付く何かは、その時々の出会いと別れの中で、声高に叫ぶ必要は無いのだろう。

わたしが知っていれば、それで充分。

ずっと前に一度、同じ事を言った。
もし今、名前の上の何かを声に出して呼ぶのであるばこう言おうか。

「人間」

その下にある名前こそを、抱きしめながら。


本文とは特に関係ないです。なんとなく貼っただけ 笑
お時間のある方だけお聴きくださいませ。

Corneille
A man of this world


#散文

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