詩 天使
柔らかい毛糸のストールで体を包みながら
聖母に抱かれた子供のような笑顔と優しい言葉で人を刺す人
怯えるものなど何もないのに
誰かが知らん顔して横を通り過ぎるだけで
パパに助けを求める視線を送る人
自分の思い通りにならないひとつひとつを思い返して
泣いてみればいいのよ、ほら試しに
今のままじゃきっと泣けないから
わたしの背中はきっと
呼吸の仕方ひとつ、教わってこなかったのでしょ?
人はね、もっと生々しい顔を背中に持ってるの
なんて、冗談よ
誰かの哀しみと歓びと
そのどちらにもこころを動かせないわたしは
春になったらゆりかごの中できっと
いとも簡単に蜜蜂を追い払いながら
花びらを一枚二枚とむしり取って
一日を過ごすのでしょうね
可哀想ね
可哀想だわ
スキもコメントもサポートも、いただけたら素直に嬉しいです♡