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詩 朧月


水面に落ちる
夜の灯りを壊す薄いヒレ
澱みのない水音が向かう先は
闇にしなだれ掛かる黒い木々

灯りの壊れた深い池の上
見下ろす下界を咎めるように   
薄黒い雲を招き
ほろほろと泣く物寂し気な月

耳の奥底を漂い始めた
今日と言う時間への葬送曲
迷い込んだ善良な獣は
踏散らかしたものの上で
空を仰ぐ

春の戯れか
朧の月夜



*先日、見事に薄ぼんやりとした朧月を見ました。
月にしたところで、いつも美しく輝くばかりでは無いですね。

#詩

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