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詩 ふることのふみ


ふることのふみ

花は饗し
月はしじまを守り
我が身はいかなる場所に向かうのか
火は導き
禁じられたいとなみは
やがて喜悦の中で目を閉じる

鳥は大空を自在に泳ぎ
呼応した魚が跳ぶ
我が身はいかなる場所から出でるのか
水は流れ
まことの誓いは
我欲を引き連れ昇華する

閉じてゆく物語の懐に
血肉をわけた言霊をいただき
水面にうつる月のごとく
磨かれた銅の鏡にうつる一切は
ただひとつの我が身となって八百万を担ぎ
幾千のいにしえを謡う

まほろばに立つ

我はうた
かけまくも畏き世を謡う

ふることのふみ


*ふることふみ 古事記のこと。
記とありますが、ふみと読みます。
多くの神話が物語詩と言われるように、古事記も連続性のある神話が織りなす、一篇の長い長い詩歌だと思います。
その長い詩歌そのものを擬人化して表現してみました。神話を起点にした人の世への繋がりの物語が古事記。
いやむしろ神話が人の歴史にはみ出したまま、書記のように続いてゆくことも無く終わってゆく物語だと思います。

神話部のタグを付けました。いいよね、部長⁉️

#詩 #note神話部

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