詩 いいわけ
人の手が届かない本物の夜
どこからが空でどこからが地面なのかもわからなぬまま乾いた砂の上でもし夢を見るとしたら
帽子を被った案内役のうさぎは大きすぎる月の光にいたずらのひとつも仕掛けられなくて
すごすごと帰ってしまう
どんな冒険もいくじなしは呆然とした目だけをこちらに向けて
自分は何も知らないからと
きっとそう
後に残されたわたしがどんなに気まずい思いをしようともお構いなしに
きっとそう
人の手が届かない本物の夜は
最初からひとりで最後までひとりで
手の届かない大きすぎる月の光を、妬んで笑う
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