たくさんの愛をこめて

Aloha nui loa
さぁ精霊たちよ目を覚ましておくれ
わたしの真実をマナに届けておくれ

昔々この地に住まう人達が選んだものは文字では無くわたし

Aloha nui loa
海に抱かれ大地にくちづけ
わたしの全ては祈りになる

かつて精霊達は何を知っていたのだろうか

「ある日どこぞの乱暴者が唾を吐き踏みつけにしようとも、その時猛々しき炎は顔色ひとつ変えることはないでしょう」
「ある時こころなき者が薄笑いを浮かべいたぶろうとも、それでもそよと吹く風はピクリとも驚かずその腕をすり抜けるでしょう」

この地に住まう人間は翻弄されようとも
マナが打ち砕かれることなどありようはずもなく

文字を持たない彼らが歌う時
文字を持たない彼らが心を届ける時
文字を持たない彼らは踊る
体のすみずみまでを差し出し語る
フラに込めたものを受け取って欲しいと

人の手によるものよらないもの
破壊と創造は寄せては返す波間の時
幾人もの王達も寄せては返す波間の支配

Aloha nui loa
海に抱かれ大地にくちづけ
彼らはみなマナと共に生きたかったのだと知った

消して多くはない言葉のひとつひとつは
精霊達に聞き入れられ
やがて

わたし《フラ》の中にALOHAを記した

※ Aloha nui loa たくさんの愛を込めて

Hula

#詩 #物語を描く自由詩