詩 砂の海で眠れば
サラ
サラ
サラー
指の隙間をすりぬける粒子
目の前に広がるものは
少し熱を持った嵐の後の砂漠
それは規則正しい波を従えた
何者をも寄せ付けないはずの
砂海
あの時
手を伸ばせば星をつかめそうな
輝きを放つ摩天楼の中で
どうしてわたしは笑っていたの
少し憂いを含んだ唇は
艶やかなルージュがよく似合う
軽やかなステップで
何を演じていたの
周りを囲む人々は半透明だったのに
乾いた嵐が過ぎた後
この砂海にあったはずの摩天楼が
消えた
指の隙間からすりぬけてゆく
全てがうつつの蜃気楼
わたしはいくばくかの喜びを秘め
砂の海に沈んだ
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