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詩 彼の方に

月の満ち欠けを感じるたびに

君を想う

ひと夜ごとに透き通り

儚くなりゆくその身体

けれど哀しみをたたえたとは

嘘だった瞳

ただ見ていた

目の中にあるその捨てがたき星を

満ちる時には大輪の花を咲かせ

そして欠ける時には声すら潜めて

幾たびもそれを繰り返す

まるでそれは月に住む彼の方のように

残り香だけを置き去りにした人

狂おしいほどの思慕

今夜は何処に

手の届かぬどこでその華を見せているのか

ハラリと落ちる時

沈む君の身体は

また目の中にある捨てがたき星を

探し始めるのだろう




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