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お題参加作品ー詩ー


《おぼろ》

艶立つほどの漆黒のさなか
なぜ
歳若き月は儚げに漂う

恋しい人の姿形が
ぼんやりと遠のき
星々がひとつ消えふたつ消え
やがて
すべてがおぼろに写るのは
月詠み人の戯れだと
そんな言い訳など効かぬように
雫ひとつが
何事でも無いかのように落ちる

誰も彼も嘘がつけない夜だから
わたしはもたれる肩を探した

詩人の本懐 お題 『満天』

《儚い夢の中で揺れて》

色の無いはずの水の色
それはすれ違いざまに交わす
魚達のささやき

色の無いはずの水の色
それは少しの自由を得た
小さな石ころの戯れ

光さす揺らぎの中で
しばしの夢を見てみましょう
月明かりだけでは心許無く
昨日見た幻の中に
倒れ込んでしまわぬように

無色透明の中で
漂い流してしまいましょう

仄かに色ずく言の葉 お題 『水の中の世界』

《わたしのうた》

何も持たずに
裸で生まれて来たわたしは
妹弟の手を取り
坂道を歩いてきたわたしは
泣き疲れて眠ったわたしは
かけがえのない
命のいくつかを見送ったわたしは
家族の優しさに震えたわたしは

気がつけば幾重にも繋がれた
四季折々の景色と忘却の中に
そっと
置かせてもらったのだと知った

歩をすすめる度足元にひとつ
光り枯れ色褪せまた色付いた
そのひとつひとつが

わたしの詩(うた)

仄かに色ずく言の葉 お題 『振り返った先には』


最近お題ものが多いですが、折角お題を出す方が何人もいらっしゃるようなので、当面は続けていきたいと思います。
作風がみなさんと違うのでどうなのかと思ったのですが、気にし過ぎでした😅(なるべくまとめて出します)


#詩 #お題詩

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