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詩 みおくる



少し緩んだ寒の朝

今日の空気に溶けてゆこうとする
水滴の透明な匂い

送りだす詩(うた)よ
陽射しは手を取ってくれるだろうか
掌に乗る小さな小さな詩(うた)よ
行くべき場所を見つけるだろうか

寒の日々に
凍る事を拒んだはずの若い土
心細く荷を背負いながら
生み落とされた意味を知っているだろうか


「いってきます」
繰り返されたひと言と
目に焼き付く
鞄を背に玄関を飛び出す子の姿

返し続けた言葉を忘れずにいよう


「いってらっしゃい」






わたしにとって詩は「送り出すもの」だと思っていて、繰り返しいってらっしゃいと送り出してきた子の背中を同時に思い出す。

#詩

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