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いただいた素麺で思い出す


些細な事に目の色を変えるもので、真っ白な素麺に一本二本と色が付いていれば子供同士取り合いになっても不思議ではない。

子供の頃、取り合いの兄弟喧嘩の果てに

「うるさ〜い!外で頭ひやせ!」

と、お父さんに締め出された友達もいる。
幾分乱暴のようで、当たり前だった昭和の風景。

ふくれっ面のままロウセキで道に丸を書けば、ちょっと大きく書いていった丸を、一緒に締め出された兄なり妹なりが飛んで行く。

「ケンパケンパケンケンパ」

「ごめんね」「うん、ごめんね」

お父さんはもう怒ってないだろう。

わたしも何度かしょうもない事で「出ていきなさい!」をやった。
窓を少し開けて子供達の会話を聞くと「公園いこっか」とか、近所の人に「出ていきなさいって言われたの」と話していたり。

やられた……

頭を冷やさなければいけないのはこちらも同じだと、反省を繰り返してきた。

子供も必死ならば、親も必死なのだ。

それにしても、素麺の色で大喧嘩とは微笑ましい程に平和な事だとしみじみ思う。


#エッセイ

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