![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/12028840/rectangle_large_type_2_bd327191d7b40aa1d7f53938a611be55.png?width=1200)
ゲーム
あるアパートの一室。
そこは高校で同じクラスの友達、彩の姉の部屋。旅行に出ている間、鍵を預かった妹の彩が姉に内緒でわたし達を呼び込んだ。彩にどんな意図があったのか、わたしにはわからなかった。
わたし以外にこの空間にいるのは、彩の彼氏、亮太とその友達の大樹だった。
わたしが男ふたりをどう思っていたにせよ、何となく喋って何となく笑って、ただそれだけだと思っていた。平凡な時間。
暫くすると彩は窓を開けに立ち上がり、1分程そのままわたし達に背中を向けた。
1分というのは、案外長いものだ。彩の後ろ姿を大樹がじっと見つめる。その後ろから彼氏の亮太が、ふたりをじっと見つめていた。
考えてみれば、そこには居ない女の部屋を占領していることが、不穏なものを目立たせていたのだろうが、いい加減ぬるくなったコーラを飲みながら、その時わたしが見ていた、それが面白くない瞬間の光景だった。
視線、感じてた? 彩……
男達と別れた後、わたしは見たままを話し、そして彩に言った。
「なんだかんだであのふたりはマブダチだよ。やめた方がいい…… 亮太に傷つけられて彩、めちゃくちゃになっちゃうよ。前から思ってたけど、ロクな奴じゃない」
彩は、やっぱりそうなんだね。でもわたし無理っぽい、亮太のこと好きだから……と、顔を歪めた。
馬鹿だ、彩は。それでもいいならどうしょうもないけど。
最初からゲームを仕掛けていたのは亮太。
わたしはあの時見逃さなかった。
ふたりを見つめる亮太が首を落として一瞬、笑っていたことを……
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
17、8の頃って、今考えても浅はか過ぎるな〜って汗出そう💦
スキもコメントもサポートも、いただけたら素直に嬉しいです♡