なぜこの仕事をしているのか

初めてnoteで書く記事。
何がいいかと考え、数日悩んでこれにしました。

「なぜこの仕事をしているのか」

私は、自分がしているこの仕事を、拡げて欲しくてしています。
 
私の肩書きは「グローバルGAPアドバイザリー」です。
農業の国際認証で、GLOBALG.A.P.(グローバル ギャップ)という認証があります(この認証については後日書きます)。
この認証を取得したいと願う農業者・企業・団体と一緒に取り組み、一緒に知恵や知識を出し合って準備をし、一緒に認証審査にチャレンジする。これが私の仕事です。
認証そのものは2000年からEUREPGAPとして始まったので、まだ歴史は20年と浅く、この肩書き自体も、2年前に国内専用の呼び方としてGAP普及推進機構がスキルアップ体系の中で表示されたばかりです。
https://www.ggap.jp/?p=580

ただ、このアドバイザリーという肩書きには、何を以ってアドバイザリーと名乗れるのかまでは決められていません。

私は、グローバルGAPを知って6年半が経過しました。その間、様々な研修を受けたり、実際に審査に参加したり、農業者と一緒にグローバルGAPに取り組んだりして、知識と経験を積んできました。当然のことながら、全て自費。しかも私は農業系の学校を卒業した訳でもなく、仕事として農業そのものに取り組んだ経験はありません。消費する側です。でもGAPはよく知っています。自信を持ってGAPを語れるようになったのは、3年くらい前から。せっかくスキルアップ体系で「アドバイザリー」というカテゴリーを設けてくださったのだし、もうそろそろアドバイザリーって肩書きを書いてもいいかなと思ったのは、つい最近の事です。それくらいアドバイザリーという言葉を使うことにとても慎重になっていました。知識が備わっていないのに肩書きを利用する様な事はしたくなかったからです。
 
このアドバイザリーの仕事。大変ではあるけど、楽しいです。
現場の一番近いところにいて、チームメンバーとして作業も担当します。農業者からヒヤリングして、頭を悩ませながら書類も作ります。資料も探します。チームメンバーのトレーニングも担当します。つまり、スポーツの世界で言うと、コーチみたいな役割です。
 
コーチだから、チームメンバーの人材育成や、チームを円滑に回していくことに注力をするため、どうしても経営組織全体の事までは、なかなか手が及ばない。そこにコンサルタントがいてくれると、経営組織全体を俯瞰的にみてくれるので助かります。

しかし、1軒の農業者がアドバイザリーとコンサルタントの両方を雇うことは、経営的にはとても厳しい。GAPは徐々に取り組み効果が表れてくるものなので、続けなければ成果は出ない。しかも成果が表れるまでに3年~4年かかります。私は今、55歳。もし明日から新たに取り組みが始まったとしても、その成果は58歳以降になる。年齢と共に知識の器はどんどん小さくなる。新しい事に記憶も行動もどんどん鈍くなってくる。だから、このアドバイザリーという仕事を農業者の一番近いところにいてくれる人に託して、拡げて欲しいと願う様になりました。

それができるのは、各地元のJAの営農指導員ではないかと。
農業者の一番近くで、農場経営を良くしていくアドバイスができるのは、営農指導員さん。認証取得を望まない農業者でも、営農指導員さんがGAP的な知識や発想を持って経営指導をしてくれたら、農業者はどんなに心強いだろう。JAさんに担って欲しい!

そう願って、私は地元のJAさんとつながりを築き、私が所属する現場で研修を行っています。先生役の方が多いので、マンツーマン以上のかなり厳しい指導ですが、段々GAP的発想が身に付いてくださり、様々なアイディアが活発的に飛び交う様になりました。

私の勝手な解釈ですが、上記のスキルアップ体系をチームスポーツで考えた時、コンサルは監督ではないかと。
農業者がプレイヤーで、サポーターは農業者を応援する人。
アドバイザリーは、やっぱりコーチの役目だと思います。

コーチなので、ドップリとチームの中に入ります。コンサルタントのように広い視野で農場経営を見ることは難しい。そしてアドバイザリーは工数がかかるため、件数は多く持てない。件数が多く持てないから、収入も上がらない。人も雇えない。けれど、From Farm to Tableの考え方で捉えた時、生産段階で取り組むGAPは凄く大事。今年からHACCPが施行され、益々生産段階でのGAPは必要になってきます(この理由もいずれ書きましょう)。
でも私一人ではとても無理。だから、アドバイザリーをJAに託して、もっとGAPを普及してもらいたい。
そのためなら私は自分の持っている知識を惜しみなく出します。
もちろん生活や行動をするための常識の範囲内での費用はいただきます。せめてここまでGAPのために投資した費用は回収させてください。
 
ということで、私自身の仕事はいずれ無くなっていきます。それでいいと思っています。でも今は、この仕事は必要だと思っています。だからこの仕事をしています。

この数年で、しっかりとGAPの知識を持って、GAPを拡げていける真のアドバイザリーがたくさん現れ、多くの地域で活動をしてくれることを願っています☆☆☆


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?