見出し画像

唯一見て見ぬ振りすること

 生徒の様子は出来るだけ見とるようにしています。もちろん、ずっとそれでは自分が疲れてしまいますから、うまくバランスをとりながらですが。素敵なところをたくさん見つけて、出来るだけ「見ているよ」というメッセージを送っているつもりです。
 逆に中学生ですから、楽しくなってしまったり、ふざけが本気になったりすることもあります。それを諌めるのも、教員の仕事だと思っています。

 昔、教員とは何か全く分からなかった頃に言われた言葉が心に残っています。
「危ないことをしていたら、もちろん注意します。でも、ちょっとしたふざけもありますよね。どこからどこまで注意して良いか、ボーダーラインが分からないんです。」と相談しました。すると、ベテランの先生に「それは違うよ。全部、注意するの。ただ、言い方が違うだけだよ。」と言われました。
 この言葉にハッとしました。生徒指導は未然防止が大切です。起きてから遅いこともあります。全て注意する、その仕方が大切なんだと気付かされた出来事でした。

 それから、生徒指導の感覚が変わりました。とにかくいろんな言い方をするように意識するようになりました。

 それまで以上に、よく生徒を見るようになりましたし、気になることは必ず声をかけることにしました。ただ、唯一見逃すことがあります。それはこの時期の先生への寄せ書きです。
「やべっ、先生来てるぞ」とコソコソ何か隠す姿は可愛いですよね。もらうことというより、生徒たちだけで計画して、協力しようという姿が何より素敵だと思うのでした。

 今年もまたそんな時期になりました。ちょっと怪しい挙動も見ない振り。もし、完成しなくてもらえなくともそんな動きがある学級になったことが何より嬉しいですよね。

では、また。