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第26期 総括研修レポート

 3月12日(木)~13日(金)の2日間、第26期「緑のふるさと協力隊」の総括研修が行われました。コロナウイルスの影響により、公開での活動報告会は中止となり、総括研修も開催が懸念されるなかでの実施でしたが、無事に11人の隊員が再び集合することができました。

隊員たちの活動報告は、事前に決めた4つのテーマに沿って発表。今回、私は地球緑化センターのインターン生として12日の活動報告会に参加させていただきました。活動報告の様子をお届けしたいと思います。


テーマ① 豊かな自然を身近に感じ、大切にする暮らし
【発表者】
藤井響市(群馬県高山村)
内藤有那(石川県白山市)
富田真歩(岡山県鏡野町)

 剪定をしている写真を紹介してくれた藤井さんは、いのししの肉を村の方からおすそ分けしてもらった経験から自分で食べるだけでなく他の人と一緒に大切な命をいただいた話をしてくれました。
 豪雪地帯に派遣されていた内藤さんは、初めてかんじきを履き、雪との付きあい方を地域の人々から学び、その知恵に感動したそうです。1年を通して心が動く瞬間を多く経験し、この1年を更新できるような充実した日々をこれから送っていきたいと話してくれました。
 アクセサリー作りに興味がある富田さんは、自分たちで使うものは自分たちで作るという生活「あるもの生活」に感動。「あったらいいな」を形にする力がこの地域にはあり、自分も町の資源を生かしてアクセサリーづくりをしたいという新たな目標を力強く発表してくれました。

 隊員が1年間自然の近くで生活していくなかで、地域の人から自然との関わり方を学び、それを活かす知恵を蓄えてきた様子が伝わってきました。また、1年の成長を経て、新たな目標に向かっている姿がかっこよかったです。

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テーマ② 集落の結びつき、受け継がれていくもの
【発表者】
五郎畑智美(岩手県一関市)
渥美直子(高知県大川村)
今泉潤(宮崎県日之影町) 

 羊の飼育をしている集落に派遣されていた五郎畑さんは、子どもから年配の人たちがみんなで地域を盛り上げている集落の結びつきを感じ、「羊の会」(羊の飼育をしている地域団体)の人々だけでなく多くの人の思いを感じたそうです。
 集落の強い結びつきを感じた渥美さんは、大川村での活動報告会の時に、これまであまり深く関わってこなかった人や1度しか話したことない人でも報告会を聞きに来てくれたことに感動。関心がないことでも関わることで人生が豊かになると話してくれました。
 神楽を通して人のつながりや伝統文化を学んだ今泉さんは、毎年神楽を奉納できるのは多くの人が協力し、人との付き合いを大切にしているからで、みんなで盛り上げる地域のつながりが農村の強みであると感じたそうです。

私は、地域のためなら見返りを求めず協力する人々を通して、都会にはない人のつながりや熱い思いを身近で感じる経験を聞くことができました。

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テーマ③ 人との出会い、自分との出会い
【発表者】
大竹侑理(岩手県遠野市)
田總智宏(福井県坂井市)
三島真希(沖縄県東村) 

 「いぃんだ」の許容する文化に魅了された大竹さんは、自然を相手に地道な作業が大切な農業をする人々と出会い、言葉を尽くして丸め込むよりも相手の欠点や自分の欠点を受け入れて、自分が動くことの大切さに出会いました。
 コミュニケーションを取ることが苦手だった田總さんは、地域の人々の出会いを通して人の温かさを感じ、後ろ向きな性格が前向きになり自分の成長を感じられたと話し、地域の方に恩返しをしたいと話していました。
 飲みにニケーションが多く、それが楽しかったと話す三島さんは、悩むよりまず行動して楽しむことが大切だと気付いたそうです。毎日漁港で飲んでいるおっちゃんたちの出会いから彼女らしい活動ができたと楽しそうに話してくれました。

各地域の人々の魅力が、私にも伝わってきて、人の生き方や温かさとの出会いによって、隊員自身の価値観が変わり、それが成長につながったとわかりました。

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テーマ④ キラリと光るものがある、農山村のこれから
【発表者】
千田有実子(山形県小国町)
永岡美沙(福井県美浜町)

乗りものが好き過ぎて除雪機の免許を取得した千田さんは、一周回って田舎は最先端であると語る。この1年間に2度断水したことがあったそうで、その時は車でちょっと行ったところの湧き水や沢水を汲んで生活したそうです。どうにかなる田舎は都会の生活より最強だと話していました。
 夏は畑に熱中した永岡さんは、野菜の成長過程や育てた採れたて野菜を食べる楽しみを話してくれました。お世話になった人に野菜を分ける文化も地域ならではの魅力であると話してくれました。

田舎の生活は、あるもので生活をする、おすそ分けの文化や町中の人が家族であることなど都会生活では得られない豊かさがあることがわかりました。農山村地域の暮らしの魅力を伝えてくれた隊員は輝いていました。

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 私は初めて隊員たちと会って、印象的だったのは自信に溢れた表情でした。1年間の活動を楽しそうに話す姿から、充実した日々を送ってきたことがわかりました。どの隊員も地域の人々と関わる中で、人々の温かさや思いやり、お金だけではない本当の豊さや価値に気づき、彼らを変えてくれたのではないかなと思いました。
 また私と年齢の近い隊員が1年間知らない土地にひとりで生活しようという勇気がすごいなと思いました。東京で育ってきた私にとって何もない田舎に一人で暮らすことは不安だと思います。隊員も1年前は同じ気持ちだったと思います。でも何か変わりたい、何かやってみようという勇気が原動力になって一歩踏み出すことができ、そして新しい地域で人々と心からつながるという、貴重な経験を聞かせていただきました。
 楽しいことだけでなく辛いことや悩みも多かったと思います。でも地域の人々が隊員を支えてくれて、時には隊員が地域の人たちを支えながら成長することができたと感じました。
 隊員の発表を聞いて自分の経験を他者に伝えることの大切さを学びました。自分の活動が行えていることは多くの方の支えがあってあるものだと思います。その人たちに自分の成長を伝えることが感謝の思いを伝えることにつながると思います。立派に発表をしてくれた隊員たちがとても輝いていました。この1年間の経験は隊員かけがえのないものになると思います。今後の彼らの活躍が楽しみです。
 緑のふるさと協力隊の活動報告を聞いて、各地域の魅力や農山村地域の知識を深め、たくさんの人から話を聞くことができ、私にとって、とても貴重な経験になりました。

   東洋大学国際学部 2年 梅原稀来

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