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いま生きている理由【映画とわたし】

『彼』を意識するようになったのは『レオン』がきっかけだ。まだ小学生だったわたしは初めて感情をゆさぶられた。ひどく号泣して、立ち直れないほどの喪失感に襲われた。それがどういう類いの感情なのか、まだ処理しきれない年齢。 とにかく夢中になった。部屋に大きなポスターを貼り、マチルダと同じ髪型にし、かぎ針編みの帽子をかぶって、ショートパンツをはいた。殺し屋になりたかったけど、残念なことに近所にレオンは住んでいなかった。 夏休みの課題では、『レオン』がどれだけ素晴らしいかという一冊の

    • 『君の名前で僕を呼んで』好きという感情に理由なんていらない【映画コラム】

      舞台は美しい北イタリア。17歳のエリオとエリオの父の仕事の手伝いでやってきた24歳のオリヴァー。ふたりがいるその場所は、まるで、用意された着せかえ本から、エリオとオリヴァーをひとつずつ綺麗に切りとって天才画家がかきあげた発色の良い風景画のキャンバスに、そーっと置いたみたい。 だって、空は嘘みたいな青色で、ヴィーナスが優しく吹きかける息みたいに、風が心地よく流れている。神々しい木々には、絵の具で塗りつぶしたみたいなオレンジ色のアプリコット。いい塩梅に古びたおっきな屋敷。人のぬ

      • 『ムーンライト』姿や形が変わっても、瞳の奥はそのままで【映画コラム】

        「ムーンライト」と聞くと「セーラームーン」を思い出してしまう世代、ミドリです。 source / https://medium.com/@ceesmcd/the-brilliance-of-moonlight-b6aaed40dd81 友情を超えて、想い続けたあの人。薄暗い海辺、美しい月の光。海に反射する絶妙な深いブルー。心のうちを吐き出す。時を止める沈黙が、ふたりを引き寄せる。溢れる気持ち、強く握りしめる白い砂。みじかく儚いひとときは、永遠に続く物語。 今回は、この制

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