恋愛はタイミングが全て。あったかもしれない未来を、変えてしまったのは…
ざわつく居酒屋。隣り同士の席で、お互いの方を向いて座る二人。酔いが回ってまったりとくつろいだ雰囲気。声のトーンも抑えめで、頬杖をついてダラりと喋る。
少しでも好きだったことあった?「ねぇ、花村さんって少しでも俺のこと好きだったことあった?」
ギクっと狼狽えるのを悟られないように、いったん考えるように視線を外し、そして、ちょっとだけ覚悟を決めて、頬杖をついたまま彼を斜めに見上げる。
「好きって、どういう好きですか?」
期待しているように見えないように、まさか恋愛の話だな