看護を語る~だから看護師は辞められない~


看護師コーチング BEAUTIFUL DREAMER の新規投稿


投稿者: midori
「看護師の仕事は大変」

「もう辞めたいんです」

そんな会話が飛び交っているのに、じっくり時間をかけて聴けば、

「こんなことがあったんです!」と声を弾ませる。

クライアントさんの中には、「看護を語る」とか「看護観が」とか、そんな熱い想いが最初は感じられないことがあります。

しかし、話しを聴くと、必ず、「素晴らしい看護体験」があるんですよ。

これは、"必ず"です。

誰しも経験しているのに、それを語る機会がないだけなんです。

「経験を語る」ということは、自分の頭の中で、その出来事を整理し、相手に伝えようとします。

その背景も含めて、その場にいるような臨場感を持って話すことで、自分の中でもう一度その同じ経験を体現するんです。

経験したことを語るということは、自分の振り返りにもなり、「あ、ここで自分は感動したんだ」とか「この関わりが相手に良い影響を与えたんだ」と、聞き手の学びを通じて、

そのストーリーが考察として概念化が図られて、そこからいろんな法則性が仮設になって検証されていくというんです。

「ただ語る」のではなく、「聞き手」も重要で、

その経験に対して、評価や判断するのではなく、「ナラティブ」に聴くことが求められると思います。

ナラティブとは、「物語」「話術」「語り」といった意味を持つ言葉で、臨床心理や医療、教育やビジネスなどでも幅広い分野で指導されています。

私はコーチという職業柄、「聴く」ことに関しては、プロフェッショナルを感じていますが、職場や家庭において、なかなか「聴く」ということに真摯に向き合ってくれるでしょうか。

看護師に多くの人にコーチングを体験してもらいたいのは、ご本人にもナラティブになってもらいたいという目的もあります。

聴いてもらった経験がある人こそ、誰かの話しを聴くことができますからね。

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Photo by jasmin chew on Pexels.com
看護師は、患者さんと話す場面はたくさんあります。

急性期の病院に勤めていた頃、時間に追われて、「傾聴」なんてできない!と思っていたけど、私の大切な患者さんとの時間は、

「オペ室までの道のり」

でした。

オペが1日何件もあって、入れ替わりでオペ出しとオペ迎えをして、オペから戻ったら、分刻みでバイタルをとらなければなりません。

そんな目の周りそうな1日でも、唯一、患者さんとゆっくり話せるのが、オペ室までの道のりで、私はこのほんの「たった5分の間」にできるだけ患者さんに寄り添いたいと思っていました。

「〇〇さん、手術の時間ですよ」と声をかけ、それまでは、ルーティンで全処置やオペの流れを説明していましたが、その道のりでは、

「今のご気分はいかがですか?」と、しっかり顔を見て聴くようにしていました。

病棟が忙しいとか、受け持ち患者が多いとか、睡眠不足なんて、患者さんには関係ありません。

看護師は毎日何人もの患者さんを見ているけど、患者さんにとっては、「手術」という大きな出来事で、長い人生のほんの一部の出来事です。

短い時間であっても、患者さんの気持ちに寄り添い、「あなたのことを想っている」と心から感じていれば、必ず伝わります。

「寄り添う」のは、ただ長い時間話しを聴くだけではありません。

そのたった5分でも、心から寄り添うことができると思っています。

これは、私が評価することではなく、相手が感じることなので、今になっては「その5分の意義」の根拠はないんですけどね。

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Photo by Andreas Wohlfahrt on Pexels.com
クライアントさんが「話したこと」については、それをさらに掘り下げていきます。

「なぜ、今それを話そうと思ったのか」というところからです。

わざわざコーチングを受けてくれようと思ってくれるのには、必ず「意味」があるんです。

「看護を語る意味」とは、自分自身の自分が大切にしているものを見つける大きなヒントになります。

どれだけ「辞めたい」と思っていたって、それを語り始めると、「看護」に対する想いが溢れてきて、最後には、

「だから看護師って、辞められないのよね」

となる人が多いんです。

そんな私も、もともと「早く仕事辞めたい」と思っていたし、現在は臨床からは離れていますが、それでも時々白衣を着て、コミュニケーションを取っていると、

「あぁ、この感覚。これが良いんだよ」と、「看護」に対する気持ちがこみ上げてきます。

看護師という立場から、相手に説明するとき、質問を受けるときすべてにおいて、心から「相手を想って」接することに、幸せを感じるんです。

みなさんは、どんな「体験」を「語り」ますか?

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Photo by Karolina Grabowska on Pexels.com
「コーチング」という言葉になじみがない方も多いと思いますが、「語ってくれる」ことで成立するというとてもシンプルなものです。

自分ひとりではなかなか気づけなくても、言語化することで頭の中も整理され、その話をさらに掘り下げていくことで、多くの気付きを与えます。

私はこれからも「聴き手」として、多くの看護師さんの話しを聴いていきたいです。

だから、コーチングは辞められない。

だから、看護師は辞められない。

自分の生き方に誇りを持って、「自分らしさ」を見つけませんか?

生活を変えなくでも、意識次第で自分を好きになれるし、明日が来ることが少し楽しみになります。

まず、語ることから始めましょう(^^)/

体験セッションでお待ちしております!

体験セッション申込み
midori | 2021年7月9日 6:50 午後 | カテゴリー: 看護師向け | URL: https://wp.me/pcbwxT-1Te
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