不安がりの日常

不安は構えば構うほど、大きくなる。

蓋を開けてみれば、不安の種はちっぽけで、こんな小さなことに自分は怯えていたのかと呆れてしまう。

久々に、ケーキを買った。
ウキウキしてたのも束の間、いざ持ち帰ろうとするとドキドキが止まらないのである。
少しでも傾けたら、ケーキが崩れるのではないかと思い、そろりそろりと歩く。
と、そこに風が吹く。今度は風に煽られて、微妙な角度を保ったまま歩く羽目になる。

頭の中では、箱にべっとりとクリームがついて、片側が潰れたケーキを想像してしまう。

そんな"不安がり"なくせに、めんどうくさがりでもある私は、スーパーでの買い物も済ませたくなる。

買い物中もケーキのことで頭がいっぱいになり、買おうとしてたものもろくに思い出せなくなってくる。

やっとの思いで帰宅し、ケーキの箱を開けてみると、しっかりとテープで固定されたケーキは、びくともせずに真ん中で美しい形のままであった。

ケーキ屋のお姉さんは、私より一枚上手だったようである。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?