DJミキサー「ツマミ」の使い方を解説 これを読めばもう「ツマミ」で迷わない!
「DJミキサーは購入したけれど、ツマミが多すぎてわけわかんない…」こんな感じでDJミキサーを新調するたびに圧倒されています。
Pioneer DJ DJM-V10に代表されるように、最近のDJミキサーは多機能ですから、シンプルに2つの曲だけをつなぐだけでも、どのツマミが必要かわかりづらくなってきています。
そこで今回、DJミキサーの各ツマミを解説しながら、ミックスで必要なツマミをご紹介いたします。
1.赤エリア:ここだけわかればミックスできる!
どのDJも、このエリアのツマミは必ず触るため、ここだけ知っていればミックスができます。では早速、上から順にご説明していきましょう。
TRIM(トリム)
音量を補正するツマミです。楽曲はそれぞれの音量が違うため、このノブをつかって出力を適正なレベルまで合わせる必要があります。
ちなみに私はDJを初めて数年間、このツマミの意味をわかっていませんでしたが、知って使うとDJミックス全体の音量バランスが良くなるため、聴きやすくなります。
やり方は、曲を再生した時にインジケーター(トリムの向かって左側、縦にある)で、OVERがチラチラ点滅するくらいまでトリムで音量を調整します。
EQ(イコライザー)
音を構成する高音(HI)・中音(MID)・低音(LOW)それぞれの帯域を調整するツマミです。このツマミはLOWを主として、2つの曲をよりスムーズにミックスするためにあります。
やり方は、次の曲のLOWレベルを下げ(時計で言えば9時くらい)、ミックスしながら徐々に上げつつ、マスター曲のLOWを徐々に下げることで、2つの曲のLOWの音量が極端に上下しないようにします。
お風呂で例えると、お湯を41℃に保つために冷水で温度を下げたり、追い焚きで温度を上げるのに似ています。
COLOR(カラー)
音そのものを変化させることでミックスに演出を加えるツマミです。演出は4種類ありそれぞれ左の青く光る4つのボタンから選べますが、私はFILTERを主として使います。FILTERは高音、低音を強制的にカットできます。
やり方は、音が出ている状態で青いFILTERボタンを押し点滅させます。次にCOLORツマミを左や右にまわすと、音がシャカシャカ・モコモコと鳴り、それぞれの帯域がカットされていくのがわかります。
余談ですが、このツマミを使うことで、あたかも楽曲の一部であるかのような演出をもたせて低音を切ることができるため、最近はイコライザーの代わりにフィルターだけでミックスをすることが増えてきました。
CUE(キュー)
ヘッドフォンで次の曲を聴く時に使うボタンです。やり方はボタンを押すだけです。2つ同時に押せば2つの曲を同時に聞けます。
縦フェーダー
CUEボタンの下にある縦にスライドするツマミで、ここで主に曲のミックスを行います。
やり方は、次の曲の縦フェーダーを4〜6の間に上げ、次にかける曲が今どのくらいの音量で鳴っているのか、また、イコライザーの調整が必要かどうかを確認します。その後フェーダーを徐々に上げながら、次の曲の縦フェーダを徐々に下げミックスを完了させます。
A THRU B
各チャンネルが横フェーダー(青エリア一番下)にどのようにアサインされるか決めます。私は横フェーダーは使いませんので、全チャンネルを必ず真ん中のTHRUに合わせておきます。
HEADPHONESのエリア
MONO SPLIT / STEREOボタン
ヘッドフォンでの曲の聞き方を選びます。やり方は、MONO SPLITなら片方はCUEで選んだ次の曲、もう片方はMASTERの音がそれぞれ独立して流れます。STEREOならMIXINGツマミで調整した音がステレオで流れます。
私はSTEREOでしか使いません。
MIXING、LEVELツマミ
次にかける曲(CUEボタンで選ばれているチャンネルの曲)を聴き、スピーカーから流れているマスター(MASTER)の音をブレンドして、次にかける曲がうまく合っているかどうかを知ることができます。LEVELは音量だけを調整します。
やり方はツマミを左右に回すことで、次の曲↔マスターとなるので、やりたいアクションに応じてツマミを調整します。
2.青エリア:ここは使わなくても大丈夫
縦フェーダを使って2つの曲をミックスするだけであれば、使う必要はありません。
ただ、使うか使わないかはDJによるため「MCを入れたDJスタイル」「BPMを見ながらDJをやりたい」「エフェクターを使いたい」といった方は、このエリアのツマミを使った様々な演出が可能です。
3.緑エリア:電源を入れたら点検しよう
ここはDJミックス中に触ることがありませんが、基本的なセッティングです。電源を入れたら必ずチェックしましょう。上から順にご説明します。
CD(LINE)/DIGITAL・PHONOツマミ
つないでいるプレーヤーがCDJかターンテーブルかを選択します。
MASTER LEVEL
スピーカーから出る音量を決めます。DJをやる環境によって調整してください。
BALANCE
スピーカーからでる音の左右のバランスを決めます。真ん中にしておきましょう。
MONO/STEREO
STEREOにしておきましょう。MONOにすると曲の片方の音しかスピーカーから流れません。
最近のミキサーは、ハイパス/ローパスフィルターで音色を細かく調整できたり、タッチパネルが付いているモデルもあるためツマミの数は増加傾向です。そういった中で自分のDJスタイルにはどのツマミが重要なのか見極めてミックス作業に集中することが大切です。
また、ツマミは消耗品です。ツマミの白いマーキングは削れると目視しずらくなりますので、自分のミキサーのツマミが交換できるかどうかをチェックしておくのは良いと思います。
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