ドリーム・パイレットの解説 part3

ドリーム・パイレット! ― 超絶脱衣麻雀 外伝 ―

【第3話 花絆】

※ネタバレ注意

今パートだけは『花牌の盟友』の、その後を語る意味合いが強いです。本筋からは僅かに外れたスペシャル対局となります。

謹慎中の白彩はくあに、桜世おうせ雀奇団ジャンキーズとの抗争で倒れたとの報せが入る。
この抗争というのは『花牌の盟友』の最終対局シュンコウ兄弟を倒したときのものです。

その数日後、さらに悪い報せが続く。

桜世が失踪した、と。

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 河原。

って嬉しい、はないちもんめ」

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『花牌の盟友』のラストシーンです。本作では、その続きが描かれています。

桜世はハナ男と、街を離れる決意を固める。しかし、そこで白彩が追いつく。

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「何者ハナ?」

「桜世さんの教科担任よ。貴方こそ何者? 彼女をどうするつもり?」

「どうするって……これは成り行きなんだハナ」

「その変な語尾は……雀奇団ね!?」

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ハナ男の主張は『桜世との駆け落ち』だが、雀奇団らしき人物の主張がどうして通ろうか。を止めるため、白彩が対局を挑む。

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 桜世とハナ男が、身構える。

花牌はなはいの盟友、ハナ男!!」

「花牌の盟主、四季嶌しきしま桜世おうせ!!」

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『花牌の盟友』では名乗りはなかったですが、本作だと桜世も『盟主』を名乗っています。

保護対象とも対決する、謎の三麻サンマに突入する。

東一局で、いきなり白彩と桜世の押し合いに

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「どうしてなの、桜世さん? どうして貴女まで抵抗するの?」

「貴女こそ、どうして? パートタイマーには管轄外の業務だよ」

「それは桜世さんが心配だから……!」

「本職でもないのに」

「見抜かれていた……!? だからって心配しないわけじゃないわ! 本職じゃなくても、本気だから……!」

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珍しい会話パート。
私の作品は対局中、無口なことが多いです。

桜世は勘がよく、白彩の正体に気づいていたようです。

続く東二局で、今度はハナ男との勝負に

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「雀奇団の好きにはいかないわよ!」

「雀奇団なんてどうでもいい! オレは桜世を連れ出す……ただそれだけハナ!」

「そうまでして彼女を……?」

「お前こそ桜世を戻して、どうするハナ? 彼女の安らぎを望むなら、その行為は逆行というものハナ!」

「桜世さんの安らぎは、どこにあるっていうの!?」

「ここではない、どこかだハナ!」

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ハナ男にも答えはわからない。でも現状に桜世の幸福は有り得ないと主張する。
この対局に懸けるハナ男の想いを、伝えたい局面でした。

東二局 一本場
白彩と桜世のリーチ対決で、

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 ハナ男に対抗する術はない。
 ベタオリする。
 ツモ。

[124467p 13599s 西西][ツモ牌 白]

 白は両者の現物。
 場を乱さない打牌には、打ってつけだ。

 ツモ切り、白。

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白は本来ならば完全安牌だが、雀技スキルにだけは特例が働く。白彩が捨て牌の白を変化させ、直撃をとる。

東三局でも、親の白彩の猛攻が続く。雀技を用いアドバンテージを取っていく。

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 桜世の横に、ハナ男が並ぶ。

「どうやら手加減できる、相手じゃないハナよ?」

「わかってる。同じ雀技使い……ここからが本当の戦いだよ、盟友」

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桜世も雀技を使い、本気を出す。

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 麻雀卓フィールドに変化が起きた。
 花びらが舞う。次には新緑が栄え、紅葉が色付き、雪花せっかが吹いた。
 桜世が宣言する。
 めぐる季節の中心で、

「雀技! 四花開嶺スーホウカイリン!」

 桜世とハナ男の、花麻雀うちゅうが広がる。

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この演出は原作のままです。
ただ今回は『花麻雀』と書いて『うちゅう』読みとしました。

東三局 一本場
桜世が花牌を利用し、反撃にでる。白彩に跳満ハネマンを親被りさせ、南入ナンニュウとなる。

さらに親番。白彩と桜世のリーチ対決

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[7899p 122345666s][北×2][ツモ牌 3s]

「リーチ!」

 打、9p。
 1-4-7s、2-5sの五面待ち。

「リーチ!」

 桜世からの追っ掛けリーチ。
 打、9s。
 同巡内で追いつかれた。

 親との勝負ではあるが、こちらのほうが有利だ。

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白4枚が牌山に眠ってるなら、白彩の当たり牌は実質4枚も多いとの主張。

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 ハナ男、ツモ。

「雀技を狙ってるみたいだが……そうはさせないハナよ! カン!」

 白の暗槓アンカン

 ……雀技封じ!? でも、まだ……!

 白彩、ツモ。
 打、5p。

「ロン!」

 桜世、倒牌とうぱい

[1223345666p 789s][春][ロン牌 5p]

 1-4-7p、2-5pの五面待ち。

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この二人の牌姿ぱいし筒子ピンズ索子ソウズが違うだけで、全く同じ形にしてみました。

桜世がトップ目に立った。

南一局 一本場
桜世の優しい性格を見抜き、ハナ男も白彩と対峙する。
だが白彩がアガリ切り、差を詰めた。

雀技スキルも厄介だが、白彩の雀力は雀技がなくとも相当高いです。

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南二局 ドラ2s
西家 桜世 41000
東家 ハナ男 19000
南家 白彩 45000

ハナ男 手牌
[23556p 122567s 中中][ツモ牌 3s]

 打、2s。

「ポン!」

 白彩が仕掛けてくる。
 一副露。
 ……イヤなところを鳴いてくる……!
 打、中。

「ポン!」

[23556p 123567s][中中中→]

 打、6p。
 1-4p待ち聴牌。

 ツモ。

[2355p 123567s][中中中→][ツモ牌 中]

「カン!」

 中の加槓。
 嶺上牌を引く。

 二筒。

 ツモ切り、2p。

 新ドラが捲られる。
 新ドラ表示牌、發。
 つまり新ドラ、中。

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ハナ男にとって最高の流れだが、

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「カン!」

「なにぃ!? 2pを大明槓ダイミンカン……!?」

 2pはハナ男が一枚持っている。通常はカンできない。

白彩手牌
[手牌 7枚][←222s][←222p 白]

「雀技! 夢色牌画ドリーム・パイレットっ!」

 白が2pに変化する。
 ……強引に2pを……!?
 嶺上牌を引き、

「カン!」

[手牌 7枚][←222s/白][←2222p]

 2sの加槓。
 しかし、それは2sではない。

「夢色牌画っ!」

 白が2sに変化する。
 白彩、ドラ4。
 さらに嶺上牌を引く。

「カン!」

 嶺上牌と手牌の3枚を倒す。

[手牌 4枚][←222/2s][←2222p][《1》1|1m 白]

「夢色牌画っ!」

 白が1mに変化する。

[手牌 4枚][←222/2s][←2222p][《1》11|1m]

 打、9m。
 三槓子サンカンツ
 いや、違う。

「す、四槓スーカン流れだと……!?」

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超強引に強制流局させ、オーラスへ。

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状況は、

南三局 ドラ6p
南家 桜世 41000
西家 ハナ男 19000
東家 白彩 45000

白彩 手牌
[23456p 77788s][北×2][南↑南南]

桜世 手牌
[手牌 10枚][白白白→]

ハナ男 手牌
[手牌 7枚][←111m][←999m]

桜世とは、僅か4000点差。30符3翻のツモか、2翻直撃で捲られる。
 条件を越せない、パターンのほうが少ない。つまりオリることは許されない。
 またハナ男に役牌ヤクハイ放銃ほうじゅうし、対々和トイトイの直撃をもらうと捲られてしまう。

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 桜世のツモ。

「カン!」

 白の加槓。

 白に対し雀技を発動させ、147pどれかの加槓に変更すれば、槍槓チャンカンとなる。
 それが勝利条件だが、
 ……ダメ。教え子に雀技は掛けられない……!

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すでに使ってね?って思うんですが、桜世に対しては用いてません。勝利のためであろうと、直接掛けるのはNGのようです。

その一瞬の躊躇ちゅうちょから、

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 新ドラが捲られる。
 新ドラ表示牌、冬。
 つまり新ドラ、花牌。

 ハナ男のツモ。

「秋!」

 抜きドラ。新ドラ冬の効果で、2枚分のドラだ。
 ハナ男、ドラ2。
 もう一枚。

「夏!」

 ハナ男、ドラ4。
 嶺上牌に手を伸ばす。

「ツモォ!」

 ハナ男、倒牌。

[555s 東東發發][←111m][←999m][夏秋][ツモ牌 東]

「対々和、嶺上開花、ドラ5。50符8翻は倍満6000、10000点だハナ!」

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この和了ホーラで、なんと全員の持ち点が原点に戻る。延長戦がないため、席順での決着となりました。

『花牌の盟友』ではハナ男の活躍が少ないため、今回はキーマンとして勝負手を決めてもらいました。

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敗れた白彩は、二度の失態から組織をクビになる。
正直彼女の能力の強さを考えると、切るには早すぎると思いますが…w

桜世との過去は、白彩の心に大きなダメージを残しているでしょう。人物名鑑で白彩の精神値が低いのは、実はこのせいです。

これで白彩の回想は終わります。

次回は現在に戻り、雀奇団ジャンキーズと対決!

part4に続く

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