アリス・ワールド!の解説 part2
アリス・ワールド! ― 超絶脱衣麻雀 外伝 ―
【第2話 S world】
※ネタバレ注意
オリ男の視点から始まる。
遊園地でオシ男と別行動して以来の登場。こちらも宿泊していて、
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別室のモニター越し。確かにアリスと対局していた。
……じゃあ、こいつは……?
オリ男の眼前にも、アリスが立っている。
昨日の遊園地から、ほぼずっと付き添ってくれていた。
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別行動をしていたはずのオシ男にも、アリスはずっといたと証言しています。
オリ男は双子トリックだと主張。間違いではないが、そもそも人間ではないため双子という表現は的確ではないのかも。
自衛のためにオリ男も対局に挑む、
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この対局はオシ男戦の展開を、再現している局が多いです。それに伴い牌姿も似ています。
完全に同じではなく、萬子と索子の形が5を軸に反転します。筒子だけは筒子のみで5軸反転となっています。
あとは字牌が微妙に変わっています。
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例
オシ男 手牌
[123m 567p 789s 東東東白白]
↓
オリ男 手牌
[789m 345p 123s 西西西發發]
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以上を踏まえた上で対局に入ります。
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東一局 ドラ9s
東家 オリ男 25000
南家 団員A 25000
西家 Alice 25000
北家 団員B 25000
オリ男 手牌
[23455m 44467p 789s][リーチ宣言]
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最初は同じ牌理組み、リーチを掛けると同展開です。
一度だけオシ男のと比べてみると、
オシ男 手牌
[123m 34666p 55678s]
鏡写しのようになっています。
やはり同じようにしてオリ男がアガリます。
この辺りのリーチ判断は、オシ男と大差がありません。麻雀は加点しないと勝てないので、相反する雀風と言えども一緒の判断となります。
ただベタオリを選択したアリスへの反応が、少し違っています。
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オシ男「ベタオリか! ヌルいんだよっ!」
オリ男「ベタオリか! いい判断だが……しかしっ!」
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ここだけは雀風の違いで、ベタオリ判断への評価に差がある。
ちなみにこの時点でオリ男のアガリに雀技発動は可能でしたが、切り札を最後に見せるためスルーされています。
続く一本場もオシ男のときと全く同じ。
問題は二本場から
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東一局 二本場 ドラ6p
東家 オリ男 45100
南家 団員A 18300
西家 Alice 18300
北家 団員B 18300
オリ男 手牌
[678m 66p 12367s][←發發發][5-8s待ち]
アリス 手牌
[手牌×10枚][←768m]
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親の白仕掛け5800点と、断么九仕掛けで打点不明の勝負。
ここでオリ男は、不要な3p危険牌と見る。さらに東風戦と短い勝負なら点差は充分との判断を下す。名前通りのオリ選択。
アリスの待ちは4-7p、3pの三面張。予感が的中します。
ただpart1で述べた通り、個人的には押したほうがいいと思います。
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東二局 ドラ中
北家 オリ男 42900
東家 団員A 17100
南家 Alice 22900
西家 団員B 17100
オリ男 手牌
[123567m 56p 西西白白白][リーチ宣言 4-7p待ち]
アリス 手牌
[手牌×10][北北北→]
団員B 手牌
[手牌×10][←中中中]
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今局はオシ男とは違う世界線。ベタオリしたことで、微妙に変化している。
しかしアリスの低打点仕掛けに対し、高打点の二人が攻める展開は変わらない。ただオリ男がリーチを打ち、団員がドラ中仕掛けという違いが発生している。
それ以外は同じ展開。アリスが全力で躱し、窮地から逃れた。
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東三局 ドラ5m
西家 オリ男 41500
北家 団員A 16400
東家 Alice 25400
南家 団員B 16700
アリス 手牌
[手牌×13枚][リーチ宣言]
オリ男 手牌
[34567m 56788p 889s]
アリスのツモ。
打、8s。
「ポン!」
9sはアリスへの無筋。しかしポンにより8sは3枚見えている。9sはワンチャンス。
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再び同じ世界線。攻め方もオシ男と大差はありません。
テンパイから捲り合いとなり、
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[34567m 56788p][8↑88s][ツモ牌 3m]
打、7m。
3m、8pのシャボ待ち変え。
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まっすぐ押したオシ男に対し、オリ男は回し打ちを選択。結果は変わらないのですが、オシ男との雀風の違いが顕著になった局でした。
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東三局 一本場 ドラ6m
西家 オリ男 37500
北家 団員A 12400
東家 Alice 37400
南家 団員B 12700
オリ男 手牌
[789m 567p 8899s][西↑西西/西]
アリス 手牌
[手牌×10][東↑東東]
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前局3mを押さなかったことで、再び世界線が変わります。
オシ男のときはリーチ対決だったのが、西のみ1翻仕掛けと、ダブ東の対決に差し変わっている。
オリ男にしてみれば不服な押しとなりますが、点差的に勝負しなければならない場面です。加槓までして全力でアガリを目指す。
この思いきりの良さが功を奏し、貴重な親流しを成功させます。
オーラス――
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東四局 ドラ西
南家 オリ男 39400
西家 団員A 11900
北家 Alice 36500
東家 団員B 12200
オリ男 手牌
[456789m 34567p 66s][2-5-8p待ち]
アリス 手牌
[手牌×10][白↑白白]
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オリ男に平和のテンパイ。リーチを掛ける必要性がないため、ダマテンとなります。
対するアリスは白仕掛け。
点差は2900と超接戦です。
アリスの30符3翻ツモ、あるいは40符2翻ツモ。あとは2翻の直撃条件となります。ノーテン流局でもアリスがテンパイしていると捲られてしまうため、オリる選択は存在しない。
三面張のオリ男も強気の勝負を挑む。
結果はオリ男が、団員からロンアガリ。勝利を確信します。
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「雀技! アリス・ワールド!」
「な、なにぃいいいっ! 雀技だとぉおおおっ!?」
あり得ない。
アリス・ワールドは、追加点を発生させる技。オリ男に掛けても意味がない。
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持ち点に加算することが、アリスの技です。
アリスはそうですが、
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「アリス麻雀ルールを発動。1牌につき1000点の減算とする」
「げ、減算……!? ば、バカな……アリスの能力は1000点を加算するはず……!」
「アリス? 誰のこと? 表示をよく見なさい?」
表記に目をやる。
A l i c e → C e l i a
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なんと『アリス』だと思っていた相手は『セリア』だった。
セリアの雀技により、牌山が捲られる。
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7p、6p、4p、3pと続け様に引き、4000点の減算となる。
このときの一致の仕方は、オシ男の場合と反対になっている。
オーラスをアガったときの持ち点が、
オリ男 39400+1000=40400
セリア 36500
ここから4000点が減算され、
オリ男 40400-4000=36400
セリア 36500
セリアの逆転勝利となった。
part3に続く
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