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人間になります。(犬にしてはよくしゃべる#7【最終回】)

現代短歌2024年1月号において、第11回現代短歌社賞角川短歌賞の選考結果が発表されました。
受賞された井口可奈さん、おめでとうございます。
また、次席、佳作、予選通過の皆さま、126篇の応募があった中での選ばれし27作品です。
マジ尊敬です。すごいよ、ほんと。

さて、あてくしはといえば、無事、予選落選でした。
てっきり次席に選ばれていると思い込んでいて、そわそわして仕事にならず、有休を取って土砂降りの中、池袋のジュンク堂で現代短歌を買いに行った愚かさを恥じています。

応募した「海に乱射」300首は、noteに上げたので、もしよかったら読んでやってください。
短歌・歌集で表現したいことは、全部詰め込んだので、悔いはないです。

そして、選考座談会を読んで、自分の応募作品に欠けているものもよくわかりました。
来年も応募するつもりなので、備忘録として、一部引用させていただきます。

私が一番大事だと思うのは文体で、つまり、意味内容以外のところから何かその作者固有のものを感じられるかどうかなんです/平岡直子
言語感覚が先鋭的で、(中略)もうこの人はかなり文体とか短歌のリズムに習熟して自分なりのものを持ってる/大辻隆弘
三百首という塊で見せたときの構成意識が大事で、最後で余韻を感じさせてくれるとか、何かしらの予感めいたものを残して終えてほしかった/佐藤モニカ
現代短歌社賞に応募してるということは第一歌集で、第一歌集の冒頭の一連はもっとガっと来てほしい気がする/北山あさひ
自分でもわからないものが歌っているうちに出てしまう、というところが短歌の醍醐味や、と僕は思うので、なんか予定調和な感じがして、それが推せなかった/大辻隆弘

現代短歌2024年1月第11回現代短歌社賞選考座談会

とはいえ、自分の作品については、根本的につきぬける何かがなかったということだと思います。
悔いはないけど、せっかくなら選考委員のどなたかの心にちょっとは残ってほしかったわね、と意気消沈しながら、ページを繰っていたら、読者歌壇に作品を掲載いただいていました。

会釈から会釈が生まれその人の正義がすこしやわらいでいる

現代短歌2024年1月読者歌壇大松達知選・佳作

知り合いを太字で話す知り合いのフィギュアケースに入れられている

現代短歌2024年1月読者歌壇大森静佳選・佳作

うれしいな。
これからもがんばろ、とのんきに雪見だいふく×白い恋人を食べていたら、なぜか誌面に違和感がある。

ん、なんだろう。

ん、んー。

あ。

ちょっと待って、自分以外の人の名前が全員、姓と名が分かれている。

ああ、そうか。
私がチャレンジしている短歌は、短歌「人間の部」だったのだ。

しまった。

私はずっと「動物の部」の選手だったので、歌壇賞、笹井宏之賞、塔新人賞、短歌研究新人賞、角川短歌賞、現代短歌社賞、すべて予選落ちしたことも納得だ。

ということで、人間になります。
中森温泉と申します。
今後とも、ごひいきに。

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