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災害とSNSの活用

こんばんは。片耳の歌う防災士ゴリィです。最近はオルゴールアレンジ作ったりいろいろしています。

さて、うちのマスコット「トドメガネ」がこんなツイートをしたので今回は「SNS」をテーマに防災の話を書きたいと思います。


気象庁のサイトダウンのこと

SNSとは直接関係のない話から。

先日の豪雨のときに、気象庁さんのサイトがサーバ負荷でダウンしちゃいました。「気象庁さんの台所事情」が暴露されてしまいましたが、これはこれで「災害が起きそうなときに気象庁サイトが頼れる存在になった」という証だと思っています。

やはり「危険度分布」(キキクル)をはじめ、お住まいの地域の防災情報が見やすくなった、というのは大きいと思います。それを導入した2月の時点で、間違いなく需要が増えるという自信を持ってサーバ増強しておけばよかったですね、と国土交通省さんには言いたいです(笑)。

それはさておき、ネットワーク障害もいろいろな理由で起きますので、ネットに頼らない情報の集め方も必ず選択肢に入れておいてくださいね。携帯ラジオ非常時にワンセグが見れるもの等。ワンセグについては実は僕も導入を考えています(流石に持ち歩きはしないと思うけど)。


SNSは有効な手段

とはいえ、「SNS」(Twitter・Facebook・インスタ等)は今の時代災害時に、もしくは災害が予測されるときの情報収集手段としては大変役に立ちます。本当にいざというときには「エリアメール」(この名称はドコモだけ?)が届きますし、「緊急地震速報」「津波情報」も届きます。

また、本当に「いざというとき」になる前にも市区町村などからさまざまな情報が伝えるのにもSNSが使われる例が増えています。

そして、近しい地域のユーザーが発信する情報などで身近な情報を得ることもできます。これはテレビやラジオではなかなか難しいことです。

が、使い方を間違えると逆効果になるのもSNSです。


まずは、自治体の情報発信手段を知る

あなたが住んでいる市区町村では、住民向けに防災情報を伝えるのにどんな手段を使っているでしょう?

「市区町村のホームページ」「防災無線・行政無線」「SNS」の3つに分けられるかと思います。私の住んでいる仙台市の場合、ホームページはもちろんありますが、防災無線はありません。Twitterで防災情報を発信しています。Facebookは不明(僕が調べてません笑)、インスタは僕がそもそも使ってません(笑)。

大事なのは、情報を入手する手段を複数用意しておくことです。例えば、以前仙台市に特別警報が出たとき、私が住んでいたところに「避難指示」が出たことがあります。「~の一部」という曖昧に(笑)。

「一部ってどこやねん!」と思って仙台市のサイトを見たら、やっぱり「一部」でした(笑)。でも、もし「一部」がどこか、エリアメールの文字数の制限等があって、ホームページには詳しく書かれている場合も考えられるわけですから、やはり「ホームページにも防災情報がある」と知っておくことは知らないよりはよっぽどマシといえるのです。


「通知」設定してますか?

その、お住いの市区町村でSNSを通して防災情報を発信している場合、その「発信された」ということをきちんと把握できるかというと、必ずしもそうでもありません。タイムラインにはさまざまな方の書き込みが流れていくので、気付けばタイムラインに埋もれてしまうからです。

そのためにも、必ず「通知」設定にしましょう

仙台市の場合(Twitter)、現在は「新型コロナウイルス市内で●名」のお知らせが1日1回流れてくるくらいで、特段うるさくもありません。何人かツイートがあったら通知をもらう設定をしていて、そんなに大勢設定しているわけでもないので埋没することはありません(ここが埋没しないように通知設定する人は絞った方がいいです)。

これはTwitterに限らず、Facebookもインスタにもいえることで、折角大事な情報を発信されたのにそのことに気付かないのは意味がないので、「通知」設定は必ずお願いしますね。


災害時の原則

災害時の原則として、「複数行動の原則」をオススメしています。家族なら家族、友人なら友人と、無理のない範囲で結構ですのでできれば2人以上で行動することです。

これは、地震ならその後に起きる地震(必ずしも余震とは限らず、「本震」が来ることも)でケガや命にかかわる事態になった、大雨・台風なら足を滑らせ水路に落ちた、ということもあり得ます。そういった場合、複数いれば緊急連絡ができるからです。単独行動だと誰かに見つけてもらうまでその事実は分かりません。

情報収集にも同じことがいえ、複数人でいれば誰かひとりだけスマホを電源オンにして、他全員はオフにしてみんなでシェアすれば充電消費を減らすことができます。その場合でも、「緊急省電力モード」など消費電力を極力抑えるモードに切り替ましょう(最近のスマホはこういうのが最初からあって便利)。

もし、やむを得ず一人で行動せざるを得ない場合は、スマホの電源は切らず、常に「緊急省電力モード」を使用してください。重要な情報を受信できなくなるからです。


役に立つ情報の発信源

さて、災害時のSNSといえば「デマ」(ウソ情報)ですね。熊本地震のときに「ライオンが逃げた」というクソみたいなツイートが流れましたが、パニックになっているときはそんなことも信じてしまうのが人間の心理です。

まず、SNSで情報を見る前は「深呼吸」して落ち着きましょう。では、どんな点に注目すればいいでしょうか?

まずは「発信者」。もちろん、お住いの自治体、放送局、災害情報を普段から発信している信用できる発信者は安心してみることができます。

ここから先は、北海道胆振東部地震を経験した友人の話です。さて、その友人が次に信頼したのはどこかというと、発信者が「お店」のもの(特に知っているお店)。会社やお店は「信用」という看板を背負っていますので、ウソは書けませんよね。納得。で、あとは実際に会ったことがあったりして信用できる個人。


この項目を見落とすとあなたも「デマ」拡散者に!?

これは確か、私のやっているサイトのクイズ番組のコーナー「クイズ日本はBOUSAIボーサイ!!」でもクイズとして取り上げましたが、「ある項目」を見落としてむやみにリツイートすると、あなたも「デマ」拡散者になる可能性があります。

【Q】その項目とはなんでしょう?(実際に出題した問題です)。答えを隠すために無駄にBOUSAIボーサイ!!のタイトル画像を入れてみます(笑)

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さ、皆さんなりの答はでましたかね?では、正解です。

答は「発信時刻」です。

災害時には刻々と状況が変化していきますので、「情報の有効期限」はたいへん短くなっています。例えば「ココで炊き出しやってます!」というツイートが3時間前のものであったとき、冷静に考えれば炊き出しはとっくに終わってますね。それをリツイートしてしまうとまた誤解してしまう人が増えてしまうわけです(次にそこでいつ炊き出しをやるかも確証はないですからね)。

これは僕の肌感覚ですが、こういった状況の変わりやすい情報の有効期限は長くても1時間、一般的には30分程度。もちろん、ある程度の長さでその情報の状態が保たれる、という場合はその限りではありませんが、リツイートやシェアの際は発信時刻にじゅうぶんに注意しておこなうのが宜しいかと思います。


被災地以外の皆さんへのお願い

これも北海道胆振東部地震を経験した友人から聞いたことと、2月に福島沖の地震でてんやわんやした自分の経験も踏まえてのお願いです。

まず、むやみに被災地の「友人」に連絡を取るのは控えましょう。被災地では充電の心配もしつつ自分や家族の身を守ることで必死です。そこに、「大丈夫?」という連絡をしたところで返信できるほど大丈夫なわけはないので返信もできないわけです。大丈夫なら「大丈夫です」と自分からSNSにコメントを入れるので、慌てずそれを待ち、大切な家族や恋人、ごく親しい親友に譲ってあげてください。

「大丈夫かつ停電もない」となれば返信が遅くなること前提で連絡を取るのもいいかもしれません(但し電話は厳禁!)。

例外は「アドバイスを送る」こと。その場で返信はないにしても役に立つ情報ならきっと相手も歓迎してくれると思います。

もうひとつ、これはツイートするのは個人個人の自由なので言うのもなんですが、「役立つ情報以外のツイートは控える」ことですね。「地震やべー」とかどうでもいいですもん。そんなツイートでタイムラインが埋められてしまうのなら、少しでも役に立つ情報をタイムラインに多く残したいですよね。

「被災地の皆さん、頑張ってください!」という善意のコメントも被災後数日置いてもいいかもしれません。パニックのときにその言葉を見て元気をもらう、というよりは一段落して気持ちが沈んだ時にみた方が効果的だと思います。


まとめ

「ネット」社会になり、災害時には「テレビ」「ラジオ」といったマスコミでは拾えないような細かい情報をさまざまな場面で得ることができるようになってきました。

あとは使う側の問題です。

自分に必要な情報をどう受け取るか、どう取りに行くか」ということは普段から調べておきたいところですし、役立つ情報の見分け方も普段から意識してみるといいかもしれません。

あとは被災地の当事者以外の皆さんも同様に、災害にSNSが役立つためにどうすればいいのかということもそのときだけは思いを馳せていただければ、と思います。

以上、今回は災害時にSNSをどう使うかについて、「被災者」の視点、「被災地を見守る側の視点」の両方でお話いたしました。

今回も最後までご覧くださいましてありがとうございました。

轟RADIO「トドろき防災」


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