『バガヴァッド・ギーター』

『ギーター』 は、大叙事詩『マハーバーラタ』の第六巻に入っている。

この叙事詩は、カーラ(「時間」「死」「運命」)に支配される人間存在の虚しさを説いている。

後世の聖人は、寂静の情調がこの叙事詩の主題であるといっている。

しかし、作中の人物たちは、無常な人生を送る中で、自らに課せられた過酷な運命に耐え、激しい情熱と強い意志をもって自己の義務を遂行している。

この世に生まれたからには、自分に定められた行為に専念すること。

これこそ、『ギーター』の強調することでもある。


『バガヴァッド・ギーターの世界』より



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