あなたの温度を忘れた私
夏目漱石を 知らない、あなたで よかった
6文字の あなたを表すその言葉の羅列を 目にするたび 虹を見つけた子供に戻る
優しくなる、その口調の向こうに また、会えますか どんなふうに、触ってくれるのか 不安を抱きながら、その日を待つ
君がそこにいる 当たり前の風景となるように
あの日に 切り取った、ヒマワリに たゆんだ涙私の代わりに 泣いている
会いたかったよ 言葉にならない そんな誘い方しないで 会いたかったよ 会いたかったよ
浮かび上がらない 気持ちに 形も意味も呼び名もなく
急に訪れる沈黙の時間に 君の言葉の真意を探ろうとする
瞬間の想いが上書きされて 初めてのあの時を 忘れてしまいそうになる 褪せてしまいそうになる 小指の記憶
無から有に変わるその瞬間に 君の心で起きた化学反応を これからの全てをかけて解いてゆく
長く向かう 星の痕 抗えない力を避けるより その中を突き抜けると わたしは、答える
装飾をされない言葉たち 星の見えにくい空で ポラリスを教え合う その言葉と その声と あの空気 永遠を探し出そうとする、わたしと。
過去を話す、 女、という呼び名 ざわつく心を見透かされただろうか
あなたへ 混在する 天上と地上の 説明のつかない心中の 全ての感情を 注ぎこむ
君しかみていない 暗闇の明かりの正体を 教えてくれた 時間をくくる意味が変わる刻