【31年目の夫婦げんか】当たり前を愛して欲しい。

『31年目の夫婦げんか』
原題:Hope Springs

『プラダを着た悪魔』観るとメリル・ストリープに会いたくなる症候群に冒されちゃう。そしてAmazon primeで見放題終了間近だったので、前情報は入れずに、早く帰れた月曜日にいざ。

結婚生活31年目を迎えたソームズ夫妻だったが、妻のケイは2人で共に過ごす時間が無くなっていく現状を嘆いていた。その一方で、夫のアーノルドは現状に無関心だった。ある日、ケイは夫に無断でフェルド医師のカップル向け集中カウンセリングに申し込む。最初は行く気のなかったアーノルドではあったが渋々ケイについていくことになった。そして2人はフェルド医師のカウンセリングを通して相手と向き合っていく。
Wikipediaより


乙女なメリル・ストリープに胸が痛い。

なんだかんだ言ってうっかりそこそこ女脳な私は、普段は控えめであまり文句を言わないケイ(メリル・ストリープ)の健気さに「わかる、、、」。からの突然の鬼大胆な行動に「よーやった!!!!」。大共感です。私が決めたの。もうお金も払っちゃったわ。○時のフライトよ。って強気で言う割に内心ドキドキで泣きそうなのよ。分かりみしかない。

修復旅行中は痛くて甘くて忙しい!どんどん心が掻き乱されて、方向は様々でも結局お互いのことを考えていくふたり。(なんだかんだ仲良しじゃん!)でもなかなか上手くいかないのが人生で、言葉のチョイスを間違えたり、周りからの刺激を受けたり、タイミングがズレたりする。そこでまた心が離れて…向き合って…忙しい。ミスしたときのしょんぼりタイムもきっちり描いてくれるから良い。それぞれに落ち込んで、悩んで、答えが出たり出なかったり。でもちゃんとホステルに帰ってくるふたりが愛おしい。この作品はとにかくその『ズレ』を描くのが上手い。目の前のことより『どうしたらいいの?』って悩みが勝ってしまってスマートに動けなくて、ドジやったり二度手間しちゃったり。それでまた自分にイラついちゃうんだよね。


勇気を出して向き合う。

ネタバレは書かない!けど、旅の終わり、まさかの展開。家に戻り、悲しみに暮れてまたひとりだけである決断をするケイ。自分で決めたことなのにどうしても涙が溢れる姿に号泣。自分にも相手にも啖呵切ってこうだ!って勢いよく決めるのに、どうしても認められなくて泣いちゃうんだよね。「こんな決断したくないよ〜〜」って。子供みたいにギャンギャン泣いちゃうの。でもそれで自分を慰めてるというか。泣き疲れたら、急にスンって落ち着いて自分の決めたことにちゃんと向き合うの。割と女あるあるだと思う。

アーノルドの不器用さも愛おしくて責めらんない。彼なりにいっぱい悩んで、プライドとせめぎ合って。でも女は、本当は眠りにつく前に走って来て欲しかったの。「ケイ!愛してる!」って大声で叫んで欲しいの。もう諦めて眠ってる時に来ちゃっても、あんな寂しげな声で「ケイ、」って呼ばれてしまったら、もう責められないの。例え数年間悩み続けて我慢していたとしても、(ある意味で)憎っくきアーノルドに手を伸ばしてしまうんよ。受け入れてしまうの。本当は「いや、遅いって!もっと早よ来てや!」って思ってるねん、でもとっても愛してるから、今一番自分が欲しいものだから、来てくれたことがどうしようもなく嬉しくて、もうどうでもよくなってまうねんなあ。許す勇気。やれやれだぜ。


変わるものだってあるんだ。

という、希望が芽生える良い映画でした。ラブコメでよくある盛り演技は一切なし、ふたりの安心の演技力によりリアリティ増し増しでドキュメンタリー見てる気分になります。女心揺さぶられまくり。ちゃあんと人を愛したことがあって、『人間味』を大事にしてる人には痛い程刺さると思う。まだ私はふたりみたいな『慣れの果て』を経験していないけど、もしもケイのような状況になったらそっとこの映画を相手に見せようと思います。Amazon primeでは配信終了間近ですよ、急いで観に行ってください。失恋直後・復縁希望の方にはお勧め致しません。

何はともあれメリル・ストリープが歳を重ねてもセクシーでありがとう。
おやすみなさい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?