見出し画像

どんなに離れていても帰ってくる場所と仲間がいる|チームどみにおんのグラフィックデザイナー吉永 かつきにインタビュー

ライター・デザイナー・ビデオグラファーの複数のプロダクションから成るフリーランスクリエイター経済圏『mics(ミックス)』。WEBメディア、ブランディング、デザイン、映像など、さまざまなジャンルのクリエイティブ領域を横断して、名古屋スタートアップ株式会社、チームどみにおん、株式会社カチノデが合同で事業を行っています。

今回は、チームどみにおんのグラフィックデザイナーである吉永かつきに、mics編集部のライター小澤がインタビューしました。

吉永かつき|プロフィール
1998年生まれ、愛知県名古屋市出身、京都精華大デザイン学部ビジュアルデザイン学科デジタルクリエーションコース在学中。ポートフォリオ「Hello Quga

チームどみにおんは高校の部活動のメンバーからはじまった

ーチームどみにおんにジョインしたきっかけを教えてください。

吉永:チームどみにおんの代表であるはせさんに声をかけていただきました。はせさんとは、同じ高校の部活の先輩後輩です。今でこそ、チームどみにおんは映像制作チームですが、そもそも創設メンバーはデザイナーというよりはエンジニア寄りだったんです。

ー高校時代は具体的にどのような活動をしていたのでしょうか

吉永:当時は「なにかモノをつくろう」というようなチームで、先輩たちのつくるものに対して、私はデザイナーとして参画していました。具体的に言うと、アプリをつくるのであればUI、サービスであればロゴなどです。

ー吉永さんはTwitterで作品を発信していますね。直近ではmicsでどのような案件を担当しましたか?

吉永:どみにおんでは「靴下の日」のロゴ、micsでは名古屋大学発ベンチャーのキスモさんのフライヤーを担当しました。

ー大学2年生で学業も忙しいと思いますが、個人でもデザイナーとして活動をされていますね。(取材は2019年2月)

吉永:初めてデザインのお仕事をいただいたのは、高校3年生のときでした。知人のバンドのCDジャケットをデザインするというお仕事でした。大学に入学してからもTwitterやwebサイトを通じて、ロゴマークや名刺、CDジャケットなどのグラフィックデザイン、楽曲メインビジュアルやアイコンのイラストレーションといった幅広いお仕事をいただき製作しています。

ー影響を受けた作品はありますか?

吉永:いろいろな作品が私に影響を与えていると思うのですが一番クールだなと思うのは大友克洋さんの「AKIRA」です。バンド・デシネというフランスの漫画が大友克洋さんの漫画のルーツになっていて、バンド・デシネは物語よりもイラストの緻密さが評価され芸術作品のように分類されています。

大友克洋さんも、緻密で繊細なSFのイラストがすごくて、私もそういうところが好きです。「AKIRA」は近未来の荒廃した巨大都市が舞台で、現代では学生運動は少ないと思いますが、そういう世の中の動きも作品の中に現れていて、尖っている部分があったりして、しびれるなと。

自分の作品の中にも、自分の中からしか出ない気持ちや宣言を込めていきたいなと思っています。

ーまわりから影響を受けつつも、デザイナーの方は自分らしさを残していると思います。吉永さんのイラストは、Twitterのタイムラインに流れてくると「あ!吉永かつきだ!」と目に飛び込んでくる感じがします。

吉永:よく「キャラクターの何とも言えない表情がいい!」「エモい!」と言われます。自分でもキャピキャピにかわいい感じとかではなくて、人が“思っている感じ”が残っていればいいなと。

人は常にモヤモヤしていたり、迷ったりしているじゃないですか?その感じがイラストにうまく出せればなと、人を描くときに考えています。

ーイラストの中に自分の哲学を織り交ぜているのですね。ビジネスとしてデザインをしていると、自分の好きなものが作れないという葛藤はありませんか。

吉永:デザインが好きで、仕事も好きです。ただ、ひとりのデザイナーとして、アーティスト性だけは欠けてはいけないなというのが自分の信念としてあります。「吉永かつきが選ばれる理由」みたいなところは消えてはいけないところであり、自分と向き合いながら追求し続けたいと考えています。

デザイナーとしての転機は高校3年のポスターデザイン

ーデザイナーとしての転機があれば教えてください。

吉永:高校3年生のときに作った、母校の吹奏楽部のポスターです。「第52回定期演奏会」とあるように歴史が長い演奏会です。名電は吹奏楽部も強くて、全国大会の常連です。部活動も厳しく大変で、3年生たちは最後の演奏会でみんなステージ上で泣いてしまうぐらいすごく熱いんですよ。

ですが、これまでの定期演奏会のポスターは、楽器のイラストなど吹奏楽を連想させるビジュアルを使用したポスターばかりでした。「3年生が主役だろ!」とわがままを言って、ポスターのために全員の写真を撮らせてほしいとお願いしました。そして、ひとりずつ写真を撮り、曼荼羅のように並べて合成しポスターを作りました。私はこのポスターまでに、合計7回ポスター作っていたので、自分にとっても高校のポスターデザインの集大成であり、転機でした。

ー完成した作品を見てどうでしたか?

吉永:自分が「デザインをやる意味」を見つけられた気がします。作成時はすでに大学でもデザインをすることは決まっていましたが、自分が「デザインをやる意味」を見つけられていなかったんです。

ありきたりな原体験かもしれませんが、このポスターが完成したとき、吹奏楽部の人たちにとても喜んでもらえたんですね。デザインに対する自分史上初めての熱量で作ったものなんですよ。今でもデザイナーの道に進んで良かったなというか、これがやりたくてやってるんだなと。

ーとても思い入れがあるんですね。

吉永:演奏会の会場である名古屋国際会議場にも、B1の特大ポスターが貼り出されていて、部員の人たちから欲しいと言われていたのですが、私が家に持って帰りました。今でも額装して家に飾ってあります。誰にもあげませんよ。

チームどみにおんは、帰ってくる場所

ーmics以外の場所でも精力的に活動されていますよね。

吉永:はい。個人の仕事はもちろん、学生なので。現在、大学では産学連携プロジェクトのリーダーとして活動しています。また、株式会社はてなのデザイン部門で、アプリの広告やバナーをつくっています。その他には、UI DESIGN ACADEMY(※)の6期と7期に参加し、7期は最優秀チーム賞をもらいました。

(※)UI DESIGN ACADEMY…サイバーエージェントのデザイナー社員がメンターとなり、インターネットサービスのUIを、短期間で学ぶインターンシップ。

ーそこで成長を感じることはありましたか?

吉永:めちゃめちゃありましたね。6期は東京で5日間、7期は箱根で3日間の合宿でした。課題はアプリ制作だったのですが、それまでアプリを作ったことがなかったんですよ。初参加のときは必死に完成させたのですが、2回目は作業も早くなって、アプリを作ることに対して全く抵抗がなくなっていました。これまではグラフィックデザインを中心にやってきましたが、スキルが広がったように思います。

ーデザイナーとして自分自身で活動の場を広げているんですね。吉永さんにとって、micsやチームどみにおんはどのような存在でしょうか。

吉永:私は京都在住なので物理的に離れており、チームどみにおんやmicsの仕事ではそこまで関われていないのですが、「帰ってくる場所」ですね。高校の同級生でもあるチームどみにおんのじょーじとよく話していることなんですよ。

チームどみにおんには、学生として大学や専門学校で学びつつ、自分たちの好きなことをしたいという思いを持ったメンバー達が集まっています。ここには熱い友情があり、いい仲間だなと思っています。

じょーじのように就職先も決まっているメンバーがいたり、これからチームどみにおんの在り方は変わっていくと思いますが、変わらずチームどみにおんの看板は背負いメンバー全員で大きくしていきたいとよく話しています。

ーでは最後に、micsでのインターンを考えている人に一言お願いします。

吉永:一緒に働く仲間は変にプライドが高くない、素直な人がいいですね。これは、どみにおんやmicsの人たちがそうだと思います。ものづくりに「こだわり」は必要でも「プライド」はいらないじゃないですか。変なプライドがあると、いいモノが作れません。この辺の人たちはそこがみんな同じ目線で話すことができるんです。

デザイナーやものづくりをしている人の中には、つくったモノを否定されると自分を否定されたように感じる人がいると思います。そうではなくて、チームだからこそより良いモノをつくるために「こうした方がいいんじゃない?」「こうしたらもっと良くなるかもね」と意見を出した方がいいと思います。

そして、意見を素直に取り入れたことで良いモノができあがる。インターンにくると、そういう気持ちの良いものづくりを身をもって体験できるのではないかと思います。

ーありがとうございました。


micsには、多様なメンバー、スキル、ナレッジが集まっています。なんだかおもしろそう、ちょっと興味がある。そんな方は、定期的に開催しているイベントにぜひ遊びにきてください。がっつり学びたい!という方は、3ヶ月ごとに開催しているmicsインターンや、ライティングについてゼロからイチを学ぶ「初心者向けライター研修プログラム#micsschool」にぜひ参加してみてください。

▼mics LLCインターン募集中

▼ライティングスクール6期生募集中


取材・文=小澤志穂
編集=吹原紗矢佳

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?