1億円の低カロリー
とある会場で俺は目が覚めた。
俺の他に9人ほどいるようだ。
会場には多くの食品が置かれていた。
棚に並んだ食料品からショーケースに入った高価そうなものまで。
すると奇妙な声で放送が流れた。
≪テーブルの上に1億円があります。この1億円でここにある物を自由に食べてください。制限時間は2時間。使った金額÷カロリーを得点とし、最も得点が高かった者に1億円差し上げます。ただしお金を焼いたり隠したりすることは違反です。食べたものを吐いてしまっても失格です。それではみなさん手を合わせてください。イタダキマス!≫
みなが一斉にショーケースに向かうのを横目に、俺は棚から水を取る。
金額が高くてもカロリーが高いと得点が下がってしまう。
――2時間後。
俺の得点がトップに立っていた。
これで1億円は俺のものだ。
≪参加者の中に1万円札を食べた者がいます。隠す行為に値するため違反となります。残念ですがみなさん連帯責任です。それでは、イタダキマース!≫
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?