一宮周平「おやま(2日目)」
さて、滞在二日目です。昨日は一日かけて小山のまちを案内していただきました。同じ期間に滞在している沖縄出身のキュレーター内間直子さんと一緒に、様々な場所へ。内間さんのレポートが非常に的確に一日の流れを示してくれているので、そちらをぜひご覧ください。
同じように一日をさらっても面白くないので、特に気になった、気に入った点を書くことにします。
誓いの丘という場所から町全体を見下ろすことができました。ここではどうやら恋人たちが何かを誓いあう模様。南京錠がかけられていました。
直木賞作家、新田次郎の言葉が書かれた石碑もありました。
小高い丘に遠くから定期的に響き渡るドーン、ドーンという低い音。どうやら御殿場にある自衛隊の演習場から聞こえてくる音のよう。今回我々を受け入れ案内してくださった、渡邊さんと渡邊さん(同じ苗字の男性と女性)からすると、あまりにも日常のことで、そういえば鳴ってるねくらいなものだというのです。習慣とは不思議なものですね。外から来るとやはり気になります。そして、その音が表す未来を思うと、なんだか考えてしまいます。
あとは、山に囲まれた町なだけあって、渡邊さんが場所の説明をする時には、標高が伴います。のちに他の方と話していた時も標高がすぐ出てきました。私の泊まっている須走は、標高800mくらい。役場は300mくらいらしく、そこだけでも500mも標高差が。みなさんが思い描く(もちろん私も)静岡よりもだいぶ寒いところです。ソメイヨシノの開花も5月のGW頃だそう。高いところから見下ろすことで、少し、小山町のことを知れた気になれました。
昼食で伺った駿河小山駅の目の前にある、喫茶フランセは、カウンターのみの昔からありそうな、かわいらしい喫茶店。美味しいポークカレーとコーヒーをいただきました。先客がいて、4人入れるのか怪しい感じでしたが、先に座っていた地元のマダムたちがすぐに詰めてくれ、入ることができました。
東京からと沖縄から来ている二人ですと、軽く挨拶を済ませ、食事を終えると、話しかけてくれました。一週間、謎に滞在するのは珍しいですよね。そしておばちゃんたちのエネルギーたるや。沖縄というワードに引っ掛かり、見事に話題をかっさらい、4人で第二幕の盛り上がりを見せていました。どこに行っても、おばちゃんのパワーはすごいです。発電とかもできそうです。
富士スピードウェイには、新しめのホテルが。ハイアットが運営しているそうで、私には手が届かない高級ホテルです。こんなものもあるんですね小山町。中にはギャラリーが併設されているようで立ち寄りました。
車は、興味はあれどあまり詳しくはありませんでしたが、様々なレーシングカー(と呼ぶのが相応しいのか?)の歴史が展示されていて非常に面白く拝見しました。よく考えたら、そもそも四輪で人を乗せて走るものをつくるだけですごいですよね。それが何百キロとかもう意味が分かりません(褒めています)。
違いはあまり分からなくても、かっこいいものはかっこいい。魅了されました。ちなみに試走?していたのか、「ふーーーーわん」というF1特有の音が、誓いの丘でも聞こえてきました。ちなみにあの音、どうやって文字にしますか?人によって全然違いそうですね。「ふーーーーわん」と書きましたが、なんだかしっくりはきていません。
その後は、町の方々を渡邊さんが集めてくださり、山下珈琲というこれまた新しいけど、落ち着く、そしてかわいらしい空間で交流会を開催していただきました。
町の様々な出自の方々と、ざっくばらんにお話を。私のやっていることも面白がっていただけて嬉しいのですが、それ以上に町の人たちのいろんな話を聞けて面白かったです。これについてはもう少し考えを巡らせてから書こうかなと。
その後は渡邊さんたちと食事へ。小山町のお店が軒並み水曜定休ということで(開いているお店もいっぱいだったり)御殿場のとん吉という鉄板焼きのお店へ。レトロな飲み屋街にあるこれまたレトロなお店で、とても良かったです。食事もおいしかったのですが、渡邊さん、内間さんのお話も深く伺えて、とても今日初対面とは思えない濃度で過ごすことができました。3人に感謝です。
いただいたご縁を、またいつかの何かに繋げていけるよう、精一杯生きたいと思います。
一宮周平
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