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2月12日(日)-18日(土)蛸みこし@吉原商店街 / 齊藤コンさん来訪 / 森町の皆さん来訪

2月12日(日)蛸みこし@吉原まるごとマルシェ


▼吉原まるごとマルシェに蛸みこしが参加することになった経緯はこちら

朝たこせんに向かうと、野口くんが蛸みこしの調整をしていた。昨日三島で担がれた蛸みこしは節々が「ケガ」をしてしまってて、その補強をしていた。

開始時間を30分くらいすぎ、大勢の人が何かの抽選に並んだり屋台や出店の間を行き交うところを、瀧瀬、田村、映像の中島さん、リサさんで大小の蛸みこし、のぼり、板を運んでいく。所定のエリアに蛸みこしを置いたあと、野口くんもタイミングよく目のあった人などに声をかけていく。
祇園祭もそうだが、こういった機会にならないと滅多に見ない人数の子どもがたくさん歩いている。親御さんと一緒だったり、子ども同士で遊んだり。子どもたちで担いでる傍らに同級生などが通りすがり「蛸みこしかつごうよー!」と子どもから声をかける様子も何度かあった。

個人的に「子蛸みこし」は自立する様子が高校の理科に出てくるT2ファージっぽいなと思いながら見てました
その場で即興で描かれた蛸みこしドローイング。板はセキ文具店から運び出された大判用紙用の棚。

子ども同士で担ぐと、声をかけあう様子だったり、自然とできてく役割分担だったり、協働の仕方が大人が加わるよりも予想外の方向に運ぶ。だから一周まわって「超ニンゲンっぽいな」と思いながら見ていた。
いろんな子どもグループが担いでくれたが、いつも最初に一番怖がってる子が最終的に一番の音頭取りになったり、見知らぬ人に積極的に声をかけて巻き込もうとしていくのが面白かった。

野口くんは、翌々日の齊藤コンさんとの「ダルマからタコになるワークショップ」の予告としてドローイングをしてくれた

午前中から蛸みこしを担いでいたエリアは13時まで使用可という場所だったので、ゆるく片付けをした後に皆で屋台をまわりご飯を食べ、また15時からの「タコセン報告会」に向けて準備。ちょうど昼食どきを越えて大勢いた来場者の群れが落ち着いたので、タコセンの前で蛸みこしを担ぐことになった。

午前中に担いでくれた小学生の女の子たちがまた来てくれた。タコセンで野口くんのドローイング、風刺画や舞踊譜の図版を見て「何これ〜?」とに興味津々だったので説明をしたら、見たことないものに触れてるキラキラ感で目が輝いてた。
その場にいた子たち(おそらく初対面同士が多かった記憶)で即席の音頭を口にしながら、跳ねながら持っている様子がとにかく可愛かった。地元の草笛名人で、やはり蛸みこしを担いでくれた男性が「面白いことに参加させてもらえたお礼に吹きます」と草笛で童謡などを吹き始め、子どもたちもそれに合わせて飛び跳ね続けた。

その後の報告会では、三島から来てくださった野口くんの知人、市役所の方、地元のお茶屋さんなどが、地元風土や歴史にまつわる情報交換をしている様子が感動的だった。それぞれが知っている地元のニッチな情報を共有しあうことで、地域住民同士でもお互いに発見しあう時間が生まれていた。鑑賞体験だけではない「アート」と関わる時間として、報告会は非常に意義のあるものだったと感じた。

(YCCC 瀧瀬記)

2月13日(月)齊藤コンさんが来る

今回の吉原滞在での蛸みこし制作やグランシップでの展示が終わった後、蛸みこし本体・その過程で出た廃材をどうするかという話を数日前からしていて、野口くんからは「富士山の形を模した登り窯をどこかにつくり、その窯で廃材などを原料として燃やし、さらにその火を利用して土器を作りたい」というイメージを教えてもらっていた。それが可能かどうかは別として、できそうな場所があるので一度見に行ってみようかということで、この日は下見に行った。

11時頃にタコセン集合。

ちょうど翌日のワークショップ開催に合わせ吉原に来ていた斉藤コンさんも一緒に合流し、三人で山へ。車で20分ほど走り、現地で土地の持ち主と合流し場所を見せてもらう。

市内北部の山中にあるその場所は田村の友人が持っている空き地で、以前からその友人たちと開拓作業などをやっていた場所だ。10数年放置されていた土地で、かつてあった建屋が崩壊し一時的には不法投棄なども多発。その残骸を少しづつ遊び半分で片付けたりしていたのだ。決して景色のいい場所ではないのだが周りの迷惑にならずに焚き火ができる場所でもある。

木々に囲まれている場所のため、富士山が視界に入らないのが残念だが焚き火をするのには問題ないだろうということで、この日は簡単に現地の確認だけして富士に戻った。

窯づくりに関する野口くんメモ。

・富士山の形をイメージした窯のようなものをつくり、蛸みこしや、その展示につかった廃材などを燃やし、さらにその燃えている火を使って土器をつくりたい。
・できれば土(土器を作るための粘土)もこの場所から拾えたら良い。
・つくるのは「蛸壺」
・材料やストーリー全てがこの土地で生まれ、最終的に煙となって土地に戻り「蛸壺」が最終的な成果物として残る。生み出される。
・サイズ感や実際の焚き火の様子がどの程度になるか、実際にやってみながら調整が必要そう
・煙が空にあがっていくイメージがある

田村からは過去の経験を踏まえ、ブロック積みの簡易的なロケットストーブをつくり燃焼効率の良い仕組みにすると良さそうということなどを話した。しかし実際には「野焼き」は個人レベルで行えないため、仲間内で焚き火を囲むような規模感で、蛸みこしに使った竹や木材の廃材も少しだけ薪としてくべて供養するくらいでどうかな・・・?と考えたりしていた。

野口くんはもうすぐ滞在を終えてひとまず吉原を離れるが、3月12日のグランシップでの最終展示に向けて、その1週間ほど前に改めて吉原入りするつもりとのことで、その時は窯の話から始めましょう。ということになった。

(YCCC 田村記)

2月14日(火)ダルマからタコになるワークショップ

2月15日(水)森町の皆さん来訪

なんと、森町の蛸みこしツアーをコーディネートしてくださった「森と町づくりの会」の皆さんが、県東部に向かう途中に急遽吉原に寄ってくれた。

蛸みこしツアー開催後の後日談として、参加した地元の親子が蛸みこしを相当気に入ったようで、近所の竹を採り幾何学的な精度の高い「蛸みこし(森町バージョン)」を自作し、現在家の前に置いてある、という話をしてくれた。
蛸みこしを各地で担いでいる時、通行人の方に「これはどこかの伝統的な風習?」「どこで生まれたの?」という聞き方をされることが何度かあった。竹でできていることや、大勢で担ぐ行為がどうしてもお祭りを彷彿させることも相まっているのかもしれない。ちょっと飛躍して、伝統や文化は案外こういう素朴な「やりたい!」「作りたい!」という動機から生まれて、人が次から次へと巻き込まれていくうちに、いつのまにか続いているのかもしれないと思った。あらかじめ用意された制度のもとに生まれるムーブメントよりも、「いつのまにか」。森町ツアーで色んな景色に触れてまた行きたいと思っていたので、今度は蛸みこし森町バージョンにぜひお目にかかりたいものです。

2月18日(土)蛸みこしツアー@東伊豆