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1月21日(土)文化を知る

朝から久保田さんの車に乗り、富士宮市にある静岡県富士山世界遺産センターに向かう。

建築家 坂茂設計のセンターはファサードと鳥居の組み合わせがとても印象的

歴史にたいへん詳しい久保田さんも「いい質問するねえ」と唸るような問いを次から次へと繰り出す野口さん。「八葉九尊」に倣い構成された展示、地質・プレートに関する展示(以前大分で実施したプロジェクト「ghost in the octopus」でも世界最大級の断層、中央構造線について取り上げていた)に興味を示していた。富士山の溶岩や土を使用した「溶岩焼き」も検討している。
久保田さんの知人でもあるセンターの学芸員さんに「蛸みこしんぶん」を渡して挨拶をしてセンターを後にする。その後は富士宮焼きそばを食べながら修験道を始めた役行者(えんのぎょうじゃ)や大河ドラマ「どうする家康」の話などをしながら「ものがたりと史実」の関係について話す。

野口くんはお酒をよく飲む。にしてもこのジョッキはでかい

【富士宮焼きそば食べながらの話メモ】
・役行者は島流しに遭い追放された身となるが、夜のうちに富士山を登り帰ってきた、という伝説がある。世界遺産センターでは「いたと言われている」存在として紹介されていたが、実在の人物であることを示唆する史料も見つかっていて揺らいでる。

・大河ドラマで歴史上の人物が取り上げられるたび、時代考証も絡んで研究が進み、その人物イメージ(解釈)までも変化することが多々ある。
参考:小和田哲男 家康はなるべくしてなった「天下人」ではない

・家康は静岡県内ではスーパーヒーロー的な存在だが、県外に出た途端ヒールに転じる。

・弱き者、勝負に負けた側に同情しやすい日本人

その後は文化遺産としての富士山を知るための要所、富士山本宮浅間大社山宮浅間神社へ。2社はもともと現富士市/富士宮市にあたる土地に多くあった「鉾立石(ほこたていし)」がわずかに残る貴重な場所だ。

鉾立石について 参考 http://ohayashi.jp/archives/558 

富士山本宮浅間大社の鉾立石
山宮浅間神社にて

その後は富士市内に戻り、広見公園内にある富士山かぐや姫ミュージアムでかぐや姫伝説を掘り下げた展示や、富士市の歴史民俗についてリサーチ。

吉原に戻る前に寄った喫茶店で、やはり前日に佐野さんが感銘を受けていたように、久保田さんは野口さんの好奇心の大きさや勉強熱心さに感動したことを伝えていた。そこから「富士市/吉原にとっての《文化》《芸術》」について話が盛り上がる。

野口さんは「吉原は人が面白いから(制度的な)《アート》がこれまで必要なかったのでは」と話した。目的や意味を求めすぎることを敬遠する傾向にあるかもしれない、とも。逆に欧米圏で文化芸術の振興が進むのは、制度的なものに囲まれていることが前提だから市民が余白を求めることと関連している可能性がある、と話した。

3月12日にグランシップで開催される「面白い人に会いたい!!2023」の副題は「しずおかアートプロジェクト見本市」。地域におけるアートプロジェクトがどんな存在になるかを紹介したり、これまでの活動を報告する場だが、この時話したことは少し繋がりそうだなと思った。

(YCCC瀧瀬 記)