さとうなつみ フルーツのような(四日目)
私たちは誰もが他の犠牲の上に生きている。
現代社会はそのことに関してあえて注意を払わなければ気付きにくい構造になってしまっている。
自分がいまここにいる為に消えていく存在のことを知らなければ、自分の欲が無尽蔵に膨らんでいってしまうようで私は怖い。
自分の一部になる他の命のことをこの目で確かめたくて、旅先では機会があれば鳥をしめて捌くのを教えていただいたり、イスラムの犠牲祭に立ち合ったりした。
今回当初の予定に鹿の解体見学はなかったけれど突然鹿が獲れたとの連絡を前日の夜