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奥野晃士「リハ@みしま未来研究所〜和カフェ〜『ジンタの音』(6日目)

さていよいよ最終日。
この日もLead-wiz artを主宰する踊る行政書士、中村さんから
『Eight∞』のリハを所望されていた。
セリフのところを中心に合わせをしたいからいつものスタジオを押さえたという。

しかし、今日も秋晴れ、
なので稽古もキャンペーンを兼ねて
人目に付く屋外でやるのはどうかと提案してみたら
快諾してくれて、みしま未来研究所の中庭でやらせていただくことにした。

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13時に集合すると中村さんはすでにテントの下の机に陣取っていた。

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カフェスペースが開いていたので飲み物を買いに行くと
なんと三島クロケットで受付をしてくれていたお姉さんが
店番をしていて声をかけてくれた。

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みしま未来研究所と三島クロケットを週のうち行ったり来たりしているという。
後日分かったことだが、産休中の高校教員とのこと

ズームで開かれている会議を垣間見ながらの営業で
しかも会議の相手がたまたま山森さんたちだったので
カメラ越しに山森さんたちにご挨拶をさせていただく。

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『Eight∞』本番が12月10日だけに
早速二人の絡みのシーンの稽古。

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セリフに誘われて利用者が顔を覗かせたり、店番のお姉さんも動画を撮りながら集まったりした。
これまで流れの中でしかやってこなかったので
二人でサシでシーンに取り組んでみると
見えなかったことが見えてくるし、アイデアも次々と湧いてくる。

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特に芝居の起承転結の『転』の部分に当たる
囚われの身となったリスが農夫の指を噛むシーンは、
さらにダンス的でフィクショナルな身体のディテールの要素を取り込むことを提案。
そこから派生して、
これまでのダンスにリスの身体を見つめ直し、組み込むよう提案させていただく。


ダンサーさんがせっかく滅多にないリス役を演じるわけだから
身体でリスを表現していただくようお願いすることに躊躇うことはない。


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中村さんも快く応じてくださり次の稽古までに他のダンサーさんたちにも伝達しておいていくださるとのこと。

面白くなってきそうだ。

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アルテプラーサの坂田さんが陣中見舞いにぃてくれた。


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甘いもの大好物の私には嬉しい差し入れ😃

シュークリームを嫌いな人はいない。

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そして和カフェで休憩☕️

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佐野小に行ってワークショップをしたニュースを見ててくれて

声をかけてくれた。

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ハンバーガーで軽く夕食をすまし

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いよいよ夜は最後の晩餐、ならぬ、
最後の演劇饗宴………にしては低予算だが、
市民活動センターで『ジンタの音』の動読パーティーと称し
小学生や中学生たちと一緒に台本を持って読むリーディング・カフェ形式で
作品を味わった。

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室伏さん國原さんのコンビによって
朝散歩のご縁をいただいた二人が今回の旅では色々世話を焼いてくださった。

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3919野田ファミリーに、箱根の里まで連れて行ってくれた古長谷三嶋市議会議員、
現場が恋しい教育委員会の渡辺さん、朝散歩や三島100人会議からも飛び入りで参加してくださり、子供たちの保護者も加えて20人以上が一堂に会した。

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11月30日に大人たちだけで行ったリーディング・カフェも良かったが
そこに子供たちの新鮮なセリフや歓声が加わるとどうなるんだろうと楽しみだったが

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結果は想像以上の素晴らしさ、子供たちの伸びやかな読みが
作品の魅力を十二分に引き出した感じだった。
大人たちには地の文を読んでいただいたが、
まさに成長した小出正吾の目線という感じがした。

改めて思うのだが、

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この作品は和製『スタンド・バイ・ミー』という感じがする。
ていうか、そういうコンセプトで映画を撮れたら素晴らしい作品に仕上がるのではないかと思った。
子供たちだけで沼津の動物園に行く冒険の旅、
朝から夕方までの短い冒険である。
おまけに誤解が元で学校をサボったことになる。

そんな中お父さんの説教をするセリフは素晴らしい。
級長なのに友人の言葉を間に受けた迂闊さをさまざまな角度から分析して指摘した上で

「………だが、お前の一生は、これからなのだ。だから、大事な将来のために、今のうちにその性根を鍛えておくべきだ。元気活発なのは大いにいい。しかし、元気にまかせて暴走すると、今日のような脱線になります。今日は、まったく大暴走だったらしいが、これを先生がどうお考えになるか、とにかく月曜の朝に早くから学校へ行って、一切詳しく申し上げて、皆でそろって、お詫びをするのだな。そうして、責任を取らなければいけません。たとえ、どんな罰を受けようとも、みんな自分が負うべきものです。誰を恨んでもならない。敵があるとすれば、それは自分の中にいるのだ。獅子身中の虫というヤツだな。今日は動物園にライオンがいたようだが、百獣の王のライオンでさえ、自分の体の中の小さな虫には困らされるのだ。だから、まず自分の中の虫を見つけることが大切だ。そいつを見つける事が出来たとすれば、今日の動物園行きは、お前のためには大いに役に立った訳だ。あのポスターには〈教育参考〉とかなんとか、堅苦しい事が書いてあったが、なるほど看板に偽り無しということになる。あは、はは、は、…。」

父親のセリフは、リアル父親の3919の野田さんのご主人に読んでいただいたが
なかなか貫禄のあるいいお声だった。

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そして最後校長先生のセリフは
教育委員会の渡辺先生に読んでいただくことに。
なかなかいい声で落ち着いた演技だった。

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将来の校長先生候補だけに、
もし将来現場に戻って生徒たちを叱らないといけなくなった時は、ジンタの音を思い出して欲しい。


最後は子供達から花束贈呈💐

野田さんのお心遣いに感謝🥲


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MAW という特別な取り組みで頂いた

生涯で初の花束だ。

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渡辺先生が訪問した小学校からいただいた

生徒さん達のメッセージカードを持って来てくれた。

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これまた嬉しかった。

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今回の三島の旅で出会った人たちは

アーティストの存在を好意的に受け止めて

さまざまな機会や出会いを提供してくださった。


当初私の漠然と描いていたMAWのプランに共感してくださり

ご尽力いただいた方々のおかげで

充実した日々を送ることができた。


しかしこれまたひとえに

大河に注がれた一滴に過ぎない。


今回旅人としてワーケーションに来た身としては、ワークしかしていないように見えるが

「私にとって演劇を行うことが何よりのバケーション」だという前提があるという意味では

バケーション尽くしの一週間だった。

でもやっぱり心の底からわきおこってくる

私が常に「まだ足りぬ」という声に突き動かされているのも

SPAC-静岡県舞台芸術センターというある種恵まれた環境に身をおくことによって、俳優として堕落しないように、自らの存在意義を探し、価値を証明する旅だったように思う。

そんな中疲れが溜まっても

体調がすぐれなくても、

かなしいしらせが届いても

夜にもう一本ワークショップなんてとても無理じゃないかと思えても

太陽に輝く富士山と

参加者の笑顔から大きな力を与えられ、

全てのスケジュールをつつがなくこなすことができまた一歩前に進むことができた感じがする。

これからも

サボりたくなったりしたときは

心の底から湧き上がるあの声に背中を押されて、

演劇に真正面から取り組み続けることであろう。

「Work on」

偉大なる東洋人がこの言葉をノートに書き綴ったときの心境に想いをはせつつ。



ホテルをチェックアウトして次の現場の松崎町に向かう前

室伏さんや國原さんの母校知徳高校演劇部にワークショップを提供しに訪れた。

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