越智良江「波とアートの可能性 in 下田市」(3日目)

アーツカウンシルしずおかと下田市の、マイクロアートワーケーション。
3日目は、素敵すぎる人との出会いの日でした。

今回の滞在では、作品作りや、公演などが求められていないタイプのもので、
アーティストとして自分の糧になる、刺激や発見、吸収をし、
今後の自分の活動に反映させる、というものになる。

だけども、もう職業病で(笑)
その地域とアートの必要性や、化学反応を妄想する癖がついている。
それをしてみた。こういう訓練(もはや訓練:笑)が
はっ❗️と発見や感性に繋がることも多い。

さて、話は戻して、下田市である。

さまざまな地にはそれぞれ個性があり、
歴史があり、自然があり、
映えスポットがあり、美味し物がある。
この旅でも満喫させていただいている。

問題はここからで、

その地域が何か抜きん出る・他と差別化を図る、
平たく言うと、観光客を呼ぶ、有名になるためには、

独自性や、化学反応が必要になる。

そのためにアートができる役割、
アーティストの考え方や発見力は力になるのではないか、
我々の役目はただ単に作品を発表することではなく、
地域に化学反応を起こすことにあるのではないか、ということだと思う。

残念ながら、
自然も、美味しいものも、歴史も、映えスポットも
今や、どこにでもあるのだ。そう、どこにでもある。

「自然がいっぱいで」
「食べ物が美味しくて」

それはどこの地域も一緒である。
なんなら東京の方が美味しいものはあったりする。お金を出せば。(笑)
今は取り寄せだってできる。

なので、自然や美味しいもので勝負するには、そこそこ、にはなれるが、
抜きん出る、ことはできない。

「ここでなければならない」
「ここが唯一」
「ここでなければ体験できない」

というものが、その地域に必要なのだ。

下田市はそれを持っていて、これはもう、海岸に勝るものはないと思う。
白浜海岸の波、白い浜、砂、魚介類。
この波に出会うために、欧米から夏にはたくさんの人が訪れるという。

すごい、綺麗すぎる、水族館にも行きました。

そして演劇人目線だと、
文化とこの波 はもっともっと繋がれる❗️

波がサーフィン一色なのがもったいないなあ、と感じたのだ。
夏でないので、夏に来たらまた違うかもしれないが。

なにをするかなぁ。
きっとサンドアートはする。このを使ってサンドアーティストを呼ぶ。
サンドアートワークショッブもする。
子供たちにはサンドアートで、夏休みのカラフルな工作を作ってもらう。
雪国の子供たちを夏の合宿に招聘して、こっちの子供たちと共作する。
冬には反対に雪国に下田の子供たちを連れて行く。
あ、ラッセンとか呼んじゃう(笑)。イルカ絵とか。
水族館でショーを拝見したが、その脚本を書かせてもらって、、、。

そんなことを考えながら。


2つ、海辺の作品をご紹介。
これは瀬戸内国際芸術祭のアーティストさんの作品。
海辺に砂で像を作る。結構シュール。。。

朝に作り、浜辺にはたくさんの像が並ぶ。
観光客は写真を撮り、不思議で奇妙な海と像のコラボを楽しむ。

だけど、夕方、これが潮が満ちてくると、ハラハラと崩れていくのだ。
砂なので、波に呑まれていく。くずれ、くずれ、くずれ、、、

ただの砂浜に戻る。

そして次の日の朝、またアーティストは像を作る。
この繰り返しだ。

私はこの作品がとても好きで、もう涙が出る。
ただの砂に戻る時とか、また創造される瞬間とか、
胸がキュッとなるのだ。

もう一つは漁師さんたちの網をカラフルに繋げたこちらの作品
地域の漁師によって、網が違うという。
それを繋ぎ合わせ、アートにし、かつ、漁師の仕事や歴史、
地域の異なりかた、なぜ網目が違うのかなども知ることができる。


自然とアートの力はそういうとこだ。
自然とアートは相性がとてもいい。
そしてアーティストの持つ力とは、こういうことだ。

なんて素敵。
私はアーティストなので、
下田の海でも、サーファーさんだけでなく、
多くの人が楽しめる文化と共存できると良いなぁと感じた日でした。

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