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愛のしるし

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たくさんの「スキ」をもらった文章。下のほうにも良いやつがたくさんあります。
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#就活

だからわたしは就活をしない

 大学3年生の3月、就活ではなくnoteを始めた。「文章を書きたい」と思ったからだ。  半年前から周りのみんなは企業研究や自己分析を進めている。その間もわたしはずっと1人で黙々と物語などを書いたりしていた。週に3日、息抜き代わりのアルバイトをし、あとの時間はひたすら書く。そんな変わり映えのない生活が気づけば最高に楽しいものになっていた。 「自分は就活をしないのかもしれない」と、ぼんやり思い始めたのは何も今しがたのことじゃない。高校卒業後の進路を決める夏あたりからおそらく兆し

いろんな生き方があって良いと思うの

 新しいアルバイトを探すのは1年9ヶ月ぶりのことだった。自分の思う理想の働き方を手に入れるためには今の職場を少し離れる必要がある。  ひと月前から妙にシフトを削られるようになったのは何かの偶然だったのだろうか。その間わたしはnoteと原稿に力を入れつつ、条件に合う求人募集もたくさん漁った。  先月末には無事に新しい職場が決まり、この間の初出勤の感想も不慣れにしては悪くなかった。仕事を覚えることができたらソワソワとした緊張感も次第に解けていくだろう。  アルバイトにしろ社員に

就活について、雑記

 皆は今頃、就活の履歴書を書いているところなんだろうか。あるいはそんな段階は疾うに全部終えていて、面接の準備をしているところか、早い人なら来春からの行き先が決まっていたりするんだろうか。  就活をしていないわたしは大学4年生でありながら、この時期の大学4年生の実態がまるで分からない。よく連絡をとる友だちはせいぜい4人くらいなもので、その中で着々と就活をしている人も1人だけという類友現象。  かねてより言うが、わたしは決して働きたくないわけではなかった。ただ自分が「こういうふ

正社員に向いていない

 たかが5時間、されど5時間。でもしんどいときは結構しんどい、それがわたしのアルバイト。繁忙の波がようやく過ぎていった頃、わたしは仕事の速度を若干落としつつ、1つ年下の女の子と気の抜けたふうに雑談をする。 「えっ『呪術廻戦』好きなの!?」 「好きですよ!でも何となく美咲さんと推し被っちゃってる気がします」 「それは待って、ごめんわたし同担拒否で」 「ですよね?ちょっと心配なんですけど」 「被ってる?えっとりあえず誰?誰が好きなの?」 「私は断トツで棘くんです」 「あっ良かっ