映画「見えない目撃者」感想

≪あらすじ≫---------------------------------------------------

なつめは警察学校を卒業して念願の警察官に。配属の前日弟を乗せて運転する車で事故を起こし自身は失明、弟は事故で死亡してしまう。

失明したなつめはパルとともに母親と生活しているが、事故の件で自分を許せず精神科に通いいまだ弟の墓参りをすることもできない。

そんなある日盲導犬のパルを連れて歩いているとスケボーと車が接触する事故に遭遇する。当事者が話し合っている中車に駆け寄ると車の中から助けを求める女性の声を聴く。

車は去り、なつめは警察に拉致誘拐事件として通報するが盲目の目撃者ということもあり中々信じてもらえず…

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吉岡里穂さん主演のクライムサスペンスである、ホラーでもある作品。R15ということもありグロめの描写もあるので苦手な方はご注意を。韓国・中国での作品のリメイクということですが、そちらは未見です。前評判がよかったのでこの度映画館に足を運びました。

それではさっそくネタバレも含めた感想です。

盲導犬のパルかわいいです。元の作品の方はこの子は物語の途中で死んでしまうようで、今作では傷つくもののきちんと元気な姿を最後に見せてくれるのでとても安心しました。

この映画は一度夢や家族を失って自分を許せずにいる主人公が、偶然居合わせた事件に巻き込まれた女子高生を救う過程で再び自分を取り戻し、前を向いて生きていくのがテーマとなっているのかなと思います。

なので、最初に出会ったレイはギリギリのところで助けられ最後に二人が手を握るのがとても感動的です。

家出少女たちの間でささやかれる救様や家出しても届け出を出されない家庭の子供など現在の日本的なものを取り入れているのだと思います。犯人が今回の事件を起こすきっかけになった目撃時のビデオの件とかは怖かった。

犯人は途中で分かってしまいます。「あの人モブ顔してなかったけど、顔見せ後に全然出てこない。怪しい。」みたいな感じで。後半はホラー特有のお約束展開が多かった印象です。一人で犯人に会いに行く警察官とか。絶対あかんやつやんと思いながらハラハラしてみて、フラグは悉く回収されてゆきました。警官コンビ結構好きだったのに…、合掌。

ラストの館内のバトルはドント・フリーズでしたね。ドント・フリーズはある盲目の退役銀人宅に盗みに入った泥棒がえらい目にあう作品ですが、屋敷を真っ暗にして音を頼りに戦うなつめはそのヒーロー版といったところでしょうか。ここで弟とのゆかりのアイテムが意味を持つのもよかった。しかし、こういった作品の犯人って本当にお化け並みの体力がありますよね。まったく息を乱さずに淡々と襲ってくる犯人の怖いこと怖いこと。最後に打った弾丸が目に当たるのはよかったな。

バディ物としても楽しい映画でした。なつめと春馬のコンビもそうですし、なつめとパル、警官コンビも。春馬は高校生で死んだ弟と同い年。彼とともに事件に関わることで気持ちの整理がついた部分もあるんでしょうね。そして春馬の方も投げやりな少年だったけど、なつめや警官たちとの交流で将来の仕事を思い描くことができた。

なつめの触ったところからイメージを作る演出はとても良かったです。真っ白の中触った部分から線が生まれ、そこからイメージしてその先を把握する様子が新鮮でした。

公式HP→http://www.mienaimokugekisha.jp/

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