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青い犬

3/19、無事に御守ミコ生誕祭「青い犬」を終えました!

フラワースタンドや轍のパネル、綺麗なサイリウム、うのちゃんからのメッセージ動画など、本当にありがとうございました!

9月からずっとFCに入って応援してくれていた子に初めて会えたり、すごく遠くから来て下さったり、お家や職場から念を送ってくれたり、本当に幸せでした。

生誕パートのMCでもお話したのですが、わたしはアイドルになる前の2年間、抜け殻のように過ごしていました。

絵を描くこと、ものをつくること、本を読むこと、楽器を演奏すること、おいしいご飯を食べること、全部大好きだったことのはずなのに、心と身体の調子が悪くなり、なにが好きなのかもわからなくなり、いつのまにかなにも出来なくなっていました。

アイドルになってから、だんだんまた、何かを好きな気持ちが戻ってきました。
2年も空いてしまったので、まだまだ覚束無い足取りですが、また始められることが今は本当にうれしいです。

今回の生誕祭では、わがままを言って、好きなことを全部やらせてもらいました。


①絵を描きました

絵を描くのは2年ぶりでした。

絵の題名やコンセプトをよく聞かれますが、特にありません。強いて言うなら記録に近いと思います。
見たものを忘れたくない、一時の幻のように扱いたくない、無かったことにしたくないので、描いています。
絵に描いているのは全部、わたしが本当に行った場所です。
わたしに聴こえない音をあなたは聴けるのに、なぜ、その逆は否定するんだろう、と思うことがたまにあります。


②写真集を作りました

Instagramに載せているような写真をまとめたものです。
わたしが行った場所の入口?の写真です。
いままで描いてきた絵は全部写真が元になっています。
写真を撮って、その写真を参考に、そのとき見えたものの絵を描いています。
全部の場所の絵を描きたいけど、手が遅くて追いつかないので寂しいです。


③婚姻届・婚約指輪を作りました

わたしにとっては、ひとりひとりがとても特別で大切な人です。「みんな」と思ったことは一度もないし、本当に特別な人です。だからコピーなんかしないし、一枚一枚書きました。あなたとわたしだけの婚姻届だし、あなたとわたしだけの指輪です。
結婚は特別な相手としかできないことだと思います。わたしは本気であなたと結婚したいと思っています。
自分なんか、と思ってしまうことがあったとしても、わたしはそうは思っていないよ、ということを覚えていてくれたら嬉しい。

あと2年ぶりに金属をさわりました。やっぱり楽しくて好きだなあ!作りたいものがどんどん出てきますがそれは指輪制作が終わってから・・・!
ゆっくりになってしまいますがコツコツ作ってちゃんとしたものをお届けしたいなと思います💍


④朗読をしました

以前「アイドル」というnoteに書いた通り、わたしは自分の声に自信が持てずに生きてきました。
人に声を聞かれることが怖くて学校では一言も喋れなかったり、教卓の下に潜って泣いていたわたしにとっては、朗読をするということはとても大きなことでした。

わたしの声をみんなが肯定してくれるのは、とても嬉しいです。それでもこの声を許せない自分自身に苦しくなることも沢山あります。こんなに好きだと言ってくれるのに、それが本心からの言葉だとわかっているのに、どうして自分は許せないんだろうか。そんなことを考えつつ、練習をしていました。

声の録音を聞き返すだけでも本当に胸が詰まって苦しかったし、何度も泣いてしまったけど、たくさん聞いて練習しました。
また、声に抑揚がないとよく言われるので、どうにか頑張って声のトーンを変えたりなどしたつもりでしたが、自分に聞こえてる声とみんなに聞こえてる声は違うのでうまく出来てたかわかりません…。
なるべくゆっくり読もうと心がけていたのですがとてつもなく緊張していたのでちょっと早くなってしまったかも…ちゃんと聞き取れたと言ってもらえて安心しました。

まだ、完全に自分の声を好きになることはどうしてもできないし、嫌いなままではあるけれど、22年間でガチガチに固められていたものがちょっとだけ自由になってきたような気がします。

朗読、たくさん褒めていただいて本当に嬉しかったです。

あと、特典会の時に言われて嬉しかったのが「その本を読み返せば今日のことを思い出すことが出来る」という言葉です。泣いてしまいそうになりました。

生誕祭のいちばん初めに読んだのは
「注文の多い料理店」序/宮沢賢治 です。

わたしがいちばん美しいと思う文章です。
青空文庫などで読めるのでよかったら読んでみてください。

BGMは宮沢賢治の「星めぐりの歌」を流しました。

2回目の朗読で読んだのは
「麦ふみクーツェ」夏の盲学校/いしいしんじ です。

生誕祭のタイトルの「青い犬」はこの小説から取りました。小説に出てくるのは赤い犬、黄色い犬、緑の犬で青い犬は出てきませんが…!

朗読では、目の見えない男性が盲学校での思い出を主人公の男の子に話す場面を読みました。

この本を初めて読んだのは小学校二年生の頃で、この本を読んだことがきっかけで読書にのめり込むようになりました。
小学校二年生は、丁度、学活?の時間に学校をひとりだけ抜けて、特別支援学校的な場所の言葉の教室に通い発声の練習を始めた頃で、「自分の声はおかしい」「自分の耳はおかしい」ことをはっきりと認識し、どんどんふさぎこんでいった、どんどん喋れなくなっていった頃でした。

この本には、いわゆる五体満足ではない身体のひとたちがたくさん出てきて、それでもしっかりとそれぞれの方法で生きていて、当時のわたしはそれに救われた部分がたくさんありました。
もちろん小説は小説で、現実のわたしには、欠けたものがあるからといって、他の部分に特別な能力があったりなどはしないのだけど、それでもわたしは救われたし、この本を何度も何度も読みました。

よかったら読んでみてほしいです。


⑤ピアノを弾きました

「あの夏へ」久石譲 を弾きました。

ピアノを弾くのは中学校の卒業式ぶりでした。楽譜読めなくなっててドレミファソラシドって書き込んだしシャープとフラットの違いを調べるところからやりました…!笑

この曲にはわたしに聴こえない音がいくつか使われていて、自分では完全体(?)を聴くことはできないのですが、それを鳴らすことは出来て、みんなにはそれがちゃんと聴こえる、というのがなんだか素敵な事だなと思いました。


以下、セットリストです!

❶朗読 注文の多い料理店 序

SE
①観月京
②来来来
③スタートライン
MC

❷麦ふみクーツェ 夏の盲学校
MC
❸あの夏へ

MC
④爛漫
⑤きのみきのまま

アンコール
⑥相合傘



欲張りすぎて準備がとても大変だったけど楽しかったです!
正直あまりまだ終わった実感がありません…!一生ない気がする…!

来年は辞書みたいな厚みの写真集を出したいし、絵をもっと増やしたいです!

見守っていただき本当にありがとうございました!