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(読書)月夜の散歩 角田光代

角田光代さんのエッセイを久しぶりに読みました。
そこで考えたことを書きます。

角田光代さん。
デビュー当初からずっと、遠くから応援している作家さんのひとり。

昨年、角田さん訳の源氏物語を読んで、とても読みやすくてよかった。
角田版源氏物語は、「平成」の匂いを感じた。

少し古い作品、「月夜の散歩」。

雑誌オレンジページの連載だそうで、10年も続いていて、単行本はシリーズでこれが3冊目だそう。
飼い猫のトトさんがとてもかわいらしく、作中にもたびたび登場していて目尻が下がる。

わたしの知る角田光代さんは、20-30代
 偏食のためにお肉しか召し上がらず、
ボクシングと英会話を習っていて、
基本9時5時でホンを書き、
旅と美味しいものが好きな人。

このエッセイの角田さんは、40代。
もはや偏食ではなく。
なんでもおいしく召し上がる。
自炊していて、
スーパーが苦手で、八百屋さん、お肉屋さん、お魚屋さんでお買い物。
相変わらず9時5時で書き、
ボクシングと英会話を習っておられました。

本作品は、じつにたわいのないことばかり。
だけど、それがすごく落ち着くのです。

あとがきで、角田さんご自身がこの連載は、お料理の雑誌の連載なので、
読んだ人に無駄に考えさせるようなむつかしいことを書かないように決めて書いた、
とあって『なるほど』です。

日常のなかで感じたことをおもしろく、『たいら』な言葉で書けるのってすばらしい。