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新著が出ます - 『SQL緊急救命室』- 楽しく学ぶSQL中級入門

さて、本年三冊目となる新著が出ます。タイトルは『SQL緊急救命室』。はい、米国テレビドラマファンならピンと来るでしょう名作『ER緊急救命室』のパクリ、もといオマージュです。リスペクトしているから!

参考に前書きを掲載します。購入の際の参考にしてください。


 本書は、ずばり「楽しく学ぶSQL中級入門」です。著者はこれまで何冊かSQL中級者(およびそれを目指す初級者)向けの本を書いてきました。幸いなことにいずれも好評をいただき、ちょっとしたロングセラーとなりましたが、やはり中には「内容が難しい」「理論的な話がとっつきづらかった」という感想をいただくことも少なくありませんでした。そこで、何とか技術的なレベルを維持したまま読者が読みやすくなるように敷居を下げる方法はないものかと長い間思案していました。

 その問題を解決する試みとして考え出したのが、初級者と上級者の対話形式というスタイルです。初級者の素朴な疑問にメンター(と呼ぶには少し人格的に難があるのですが)となる上級者が的確な回答を返してより高みへと導いていくことで、読者と一緒に成長していくような物語を書けたらと思って作り上げたのが本書です。コミカルで軽妙なやりとりの中で、でも時にはSQLの本質に迫る真剣な技術論を交わす3人の物語を楽しんで最後まで読んでいただければ幸いです。

 各章は独立しているので興味を持った箇所から読んでいただいてかまいませんが、もしSQLの構文やCASE式とウィンドウ関数の知識があいまいだと思う方は、序章だけは最初に読むと本書を十分に楽しめるでしょう。この2つの道具はSQLプログラミングを中級レベルに引き上げるためには必須の技術で、本書でも多用するからです。

 また、本書では必ずと言ってよいほど、SQL文の実行計画を読むことでそのSQL文の良し悪しを評価します。これは、実行計画がSQL文のパフォーマンスを決定すると言ってよいからです。近年、データベースで扱うデータ量は指数関数的な増加を見せており、SQLに対してもハイパフォーマンスが求められるようになりました。そのため、SQL中級者にはパフォーマンスを意識したコーディングが求められます。と言ってもそれはコードのエレガントさや単純さと矛盾する話ではなく、エレガントでシンプルなコードほど高速でリソース消費も少ないのだということを、本書を通じて見ていきます。実行計画は、全部理解しようとするとそれだけで一冊の本になるくらい大きなテーマですが(実際、著者は『SQL実践入門』(注:ミック著『SQL実践入門──高速でわかりやすいクエリの書き方』技術評論社、2015年)という実行計画の読み方を解説した本を書いています)、本書ではそれほど複雑な実行計画は出てこないので心配しないでください。

 なお、本書の執筆にあたっては『Web+DB PRESS』連載当時から書籍化に至るまで技術評論社の池田大樹氏に一貫してお世話になりました。また、関口裕士氏と有限会社アートライの坂井恵氏に本書の査読を行っていただきました。ここに謝辞を記します。

 さて、それでは楽しくも奥深いSQLの世界を愉快な3人組と一緒に探検しに行きましょう。

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