カタカナ語は要注意:アパレル編

カタカナ語が全て英語だと思っていたら、実はオランダ語だった、ポルトガル語だった、ドイツ語だった、フランス語だったというびっくりは誰しも経験済み。在米生活が長くなると、「いやぁ、この表現は聞いたことがないな」と思って、辞書を引くきっかけになるのですが、日本にいたのではなかなか英語圏ではこの表現は聞かないという判断も付きにくいですよね。

そろそろ冬物のセーターは出番がないかなと思ったので、今回は、アパレル関連のカタカナ語を追いかけてみました。


スカーフ

エルメスのスカーフみたいな絹の正方形のやつもスカーフなのですが、アメリカ英語の場合、マフラーもスカーフ scarf と言います。これは知っていないと出てこない英単語ですね。首に巻く布全般をマフラーと言うようです。じゃあ、マフラーは間違いかというとそういうわけではありません。Longmanの辞書にはちゃんとmufflerとして日本語のマフラーの意味が掲載されており、scarfが類語になっていました。でも私の周囲(カリフォルニア)ではマフラーはscarfと呼ばれています。ちなみにear muffと言えば耳当てです。


手袋

グローブと言えば野球のグローブが思い浮かぶからでしょうか、手袋をカタカナ語でグローブとかグラブというのを見かけたことがありません。英語ではglovesです。gloveは片方だけなので、普通は両手用でglovesと複数形にします。ここで注意したいのは、5本指になっているタイプがgloveなのであって、親指とその他4本指の2つに分かれているタイプはglovesとは言いません。あれはミトン。そう、キッチン用品の一つ、鍋掴みのミトンと同じmittons。キャッチャー用のグローブがミットなのは、このミトンから来ているのかも知れません。

帽子

私も学校で、帽子=Hatと習いました。でも、Hatと呼ぶからには縁(Brim) が必須条件なんです。野球帽のような鍔しかついていない帽子はCapと言います。ツバがついていないキャップ(スキーキャップみたいなやつ)はski cap、stocking capと呼ばれていますが、beanie と呼ぶこともあるようです。この手のネット検索は、英語辞典よりはショッピングサイトの方が参考になる類似表現や関連表現のヒット率が高いのでお勧めです。ちなみに、hat がcapに訂正されることを期待しながら「knit hat」を入力したら何とUSアマゾンのサイトに「knit hat with brim」が出ており、私の解説の信用がた落ちです。orz

オマケですが、Funky Junqueは、おそらくfunky junkから派生した造語(著作権付き)ですが、ポニーテールを出すための穴が付いている帽子 (キャップ、ビーニー、バイザーなど)を指します。語源のfunky junkについてはここに記述するのははばかられるのでご自身で調べてみてくださいませ。


ジャンバー

皮ジャンでおなじみのジャンバーですが、他のサイトでも指摘している通り、英語的には「バ」ではなく「パ」が正しいです。ジャンパーに関してはちょっとした落とし穴があります。アメリカで「ジャンパー」という単語を耳にするのは自動車のバッテリが上がってしまった時に使う jumper cableが一番多いかも。

皮ジャンはLeather jacket。Leather jumperということはアメリカではないですと言い切っても大丈夫だと思ういます。

ライダージャケットは、bomber jacket(爆撃機の乗員が着ていたから)やbiker jacketと言うことが多いです。

ボンバージャケットの写真を見ていて思い出した日本語のブルゾン。英語ではBlouson(「ブラウソン」と発音)またはblouse jacketで、ブラウスの一種でウエストが何等かの方法で絞ってあるタイプとWikipediaに説明されていました。写真を見る限り、日本語でいうところのパーカみたいな、ウエスト丈のジャケットです。でも英語のパーカ(parka)の項には、フードが付いているコート(日本語でいうダッフルコート)という説明になっていました。日本語の「パーカー(衣類)」の項で使われている写真はパーカというよりもフーディー (hoodie:フーディーではなくフディーと発音)ですね。

Jacketは上着という意味なので、背広とかブレザーも jacket です。

ジャンバーからだいぶ脱線してしまいましたが、やっと落とし穴の話です。アメリカでは耳にしない衣類としてのジャンパー(jumper)ですが、イギリス英語では普通にセーターの意味なんです。Jumper in Englandでネット検索するとセーターの画像がずらり並びます。Jumperだけ入力すると、アメリカのjump suit(つなぎ)や overall (胸当てが付いたジーンズ)まで画像が出てきます。Overallは胸当てがついたジーンズですが、coverallは、クリーンルームで作業する人達が着ている bunny suit を指します。


普段何気なく口にしているカタカナ語ですが、そのままではアメリカで通じないこともあることだけは記憶の片隅に留めておきませんか?


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