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食品容器包装の環境配慮の裏側❷:容器包装には、環境情報がいっぱい!

1.前回投稿の振り返り

「包装」の二大基本機能は、文字通り、内容物を保護すること「包(つつむ)」と情報提供すること「装(よそおう)」です。

「つつむ」機能には、「物理的要因」「化学的要因」「生物的要因」等から中身の食品を保護するための工夫があります。

最近、注目されている環境に配慮した包装のうち、3R(リデュース、リユース、リサイクル)植物性プラスチックについて、紹介しましたが、環境包装を開発する場合には、最低限「つつむ」機能をクリアする必要があります。

ということで、前回投稿では、「つつむ」機能と「環境に配慮した包装」について説明しました。

今回の投稿では、「よそおう(情報の提供)」機能と、その中に含まれている「環境情報」についてお話します。


2.「よそおう」:情報の提供

食品や飲料の包装には、いろいろな情報が盛り込まれています。代表的なものについて、ご紹介します。

1) 商品を買ってもらうために

食品の容器包装の「よそおう」で一番重要なことは、その商品が何なのか(どんな食品?どんな飲料?)を知ってもらって、お客様に購入してもらうことです。

そのために、「ブランド名」を付け、商品を容易く認知できる「デザイン」を施します。

例えば、コカ・コーラの瓶、カップヌードルのカップ、タバスコの瓶は、外観を見ただけで、その商品が何であるか直ぐに分かる優れものですね。

箱や袋に入っている食品は、写真や絵により、その商品がどんな商品なのかを消費者に分かるようにしています。例えば、冷凍食品の場合は、袋の写真を見れば、すぐにどんな食品か分かるようになっています。

2) 原材料名等の法定表示

例えば、加工食品の場合、食品表示法により「名称」「保存の方法」「消費期限又は賞味期限」「原材料名」「添加物」「内容量」等が表示されています。

消費者は、特に原材料を見て、より詳しくその食品がどんなものかを理解することができます。

原材料名は、食品の配合の多い原料から記載され、次に配合の多い添加物が記載されます。そのため、原材料名を見ることにより、その食品について更に詳しく知ることができます。

「卵」「乳」「小麦」「えび」「かに」「落花生」「そば」の7品種のアレルギー物質については、表示が義務付けられており(その他、表示推奨アレルギー物質21品種)、アレルギー体質を持っている人にとって、非常に重要な情報となっています。

アレルギーを持っている人にとっては、その物質を食することで死に至る可能性もあります。

3)栄養成分表示の法定表示

2020年4月1日から、新たな食品表示制度が完全施行となり、栄養成分表示が義務化されました。例えば、容器包装に入れられた加工食品には、栄養成分(たんぱく質、脂質、食塩相当量等)の量及び熱量の表示が義務付けられており、特に健康を気遣う人にとっては、嬉しい情報源となっています。

1)〜3)以外の表示の例としては、レジを通すための「POSマーク」、ラーメンの「作り方」、冷凍食品の「電子レンジの時間」等があります。


3.容器包装には、環境に関わるマークがいっぱいあります

ごめんなさいm(__)m。前段が長くなり、ようやく今日の本題にたどり着きました。

2では、「よそおう(情報の発信)」機能として、主に商品の中身についての情報について説明しましたが、ここでは、環境に関する「よそおう」機能について、お話ししたいと思います。

食品の容器包装では、環境に関するマークが必ず付いています。これ、意外に思われる方が多いかもしれませんが、以下で説明します。

容器包装には、以下の4つのカテゴリーの環境マークがあります。

1)法令等で定められたマーク 例)容器包装の識別表示マーク

2) 各分野の有識者、学識経験者等の第三者によって認証されるマーク
   例)エコマーク
3)企業や業界団体などが独自に設定したマーク
   例)再生紙使用マーク、味の素㈱の味なエコマーク、レインフォレストアライアンス認証マーク
4)その製品が原料から廃棄までに環境に与える負荷を定量データ(CO2の発生量など)として表示し、購入者に判断を委ねるという形式のマーク
例)CFP(カーボンフットプリント)マーク

今から、1)の容器包装の識別マークについてお話します。これは、原則、全ての食品の容器包装に付いているので、見覚えがあると思います。

2) の例に挙げたエコマークは、認知率が90%超のマークであり、食品の容器包装でもこのマークが付いた商品が多くなっています。

3)4)については、説明が長くなるので、次回以降に説明します。

皆さんも是非、家にある食品包装をじっくり見て、どんな環境情報が発信されているかを見つけてみて下さい。


4.容器包装の識別表示マークとは?

下図は、容器包装の8品目の識別表示マークです。

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1)法定表示

「ペットボトル」「プラスチック製容器包装」「アルミ缶」「スチール缶」「紙製容器包装」の5品目の識別マークは、資源有効利用促進法に基づき、使用済みの容器包装が正しく分別され、資源の有効利用を促進するためにつけられるマークです。

ペットボトルは、素材がPET(ポリエチレンテレフタレート)のみなので、分別回収することで、リサイクル工場でのリサイクルがし易くなります。但し、油の容器として使用しているPETボトルは、工場でのリサイクルに悪影響を及ぼすため、識別マークは「プラマーク」となっています。

例えば、普通のアルミパウチの場合、アルミニウムとPETとポリエチレンの層でできていますが、プラスチックの重要がアルミニウムの重量より重くなるので、「プラマーク」を付けなければなりません。

最近パウチで、「紙マーク」を付けている商品が増えています。それは、アルミパウチのPETの部分を紙に変更し、紙の重量がプラスチックやアルミニウムより重くなっています。

これは、プラスチックよりも紙の方が原料から廃棄までのCO2発生量が少なくなるため、この識別マークを「プラマーク」から「紙マーク」に変更することが、環境配慮のアピールとなります。

2)自主表示

「紙パックマーク」は、飲料用紙容器リサイクル協議会の自主的なマークです。いわゆるゲーブルトップタイプの牛乳の紙パック等がそれに含まれます。

紙パックでも紙と紙の間にアルミニウムが使われているものは、紙としてのリサイクルに支障をきたすため、「紙マーク」としなければなりません。

「段ボールマーク」は、段ボールリサイクル協議会の自主的なマークです。通常、梱包に使う段ボールはもちろんのこと、例えば、食品のギフトケースで使用しているマイクロフロート(極薄の段ボール)もあります。

なお、ガラス瓶は、見た目で分かるためか、識別表示はありません。


5.まとめ

❶包装の「よそおう」(情報の提供)機能として、ブランド、デザイン、原材料名、栄養成分表示について簡単に説明しました。

❷環境の表示については、法定の「容器包装の識別マーク」を始め、4種類のマークがあります。

❸本日は、識別マークについて説明しました。


一般の家庭から出るごみの60%以上が容器包装だと言われています。本日紹介した識別マークは、容器包装の分別廃棄によるリサイクルを促進するために非常に有効なマークです。

次回以降で、その他の環境マークについて説明します。容器包装の「よそおう」機能に如何に多くの環境情報が発信されているか、きっとびっくりすると思います。




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