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ビリージョエルのマイライフを歌う

 英語のポップスを聴いて育ち、いくつもの英語のフレーズを洋楽で覚えました。カラオケに行くといつもクラシックなロックやポップスを唄います。その中でも唄うと気持ちがすっきりする曲があります。メロディーが良かったり、英語の歌詞が深かったり、その曲が唄われた時の社会情勢とかを感じられたりとか。
 前回に引き続き、ニーヨーク出身のシンガーソングライターのビリージョエルの曲を取り上げます。今回はマイライフです。この曲、歌い出しは、Got a call from an old friend.We used to be real close. (古い友人が電話をしてきた。僕らはとても仲がよかったんだ)と始まります。
 この友人はビジネス中心の街で開いていた店を閉めアメリカ西海岸に移り住み、今はL.Aで芸人をしています。ちょっとおせっかいな人みたいで、まだ今のところで頑張っている主人公に「お前もそろそろ潮時じゃないの」みたいなことを言うので、嫌気がさした主人公はI don't care what you say anymore, this is my life(君の言うことはもう気にしない。これ僕の人生なんだから)と言い放ち、Go ahead with your own life, leave me alone.(僕にかまわないで、君は君の人生を行けよ)と付け加えます。この歌も前回のピアノマンと同様、ドラマか小説の一場面のようですね。
 この曲マイライフ1978年に発表されグラミー賞も受賞した大ヒットアルバムニュヨーク52番街に収録されています。このニューヨーク52番街のアルバムには日本でた特に人気の高い曲オネスティも入っています。ストレンジャーや素顔のままでなど立て続けにヒットを出したビリージョエルの脂の乗り切った頃の曲です。

 さて、カラオケで歌う時ですが、歌いやすいアップテンポのメロディなので、気持ちよくノリで歌いましょう。バリトンの音域の私はオリジナルはちょっと音程が高すぎるので二つぐらい下げています。しかしあまり下げると伴奏が重たくなり、かっこ悪いので出来れば原曲のキー、下げても一つぐらいにしたいものです。またこの曲にはビートルズ風の主メロディーと絡むバックコーラスが付いているので、複数の人でそれを歌うと、超かっこ良いでしょう。難度は高そうですが・・・。
 ところで歌詞の中で韻が踏まれているところがいくつかあります。1コーラス目ではWe used to be real closeのcloseとBought a ticket to the West Coastのcoastが、2コーラス目ではI don't need you to worry for me cause I'm alrightのalrightとI don't care what you say anymore,this is my lifeの lifeの部分が、そして3コーラス目ではYou can't sleep alone in a strange placeのplaceとYou sleep in your own spaceのspaceとそれぞれ韻を踏んでいるので、その言葉を少しだけ強調するとかっこ良いです。あくまでもさりげなくね。
そして1、2コーラス終わると、I never said you had to offer me a second chanceという歌詞で、ブレークして一見ゆったりした曲調になります。しかし歌詞は結構詰まっています。特に2フレーズ目のI never said I was a victem of circumstanceはそのまま律儀に読んで歌うとメロディに追いつかなくなるので、ジャパングリッシュ的にa victem ofはビクテーォぐらいにしてサーカンスタンスと歌うと何とかおさまります。早口言葉の部分は工夫して乗り切りましょう。
 そしてエンディングが(Keep it to yourself, it's my life.)というビリー以外の人のコーラスで4回繰り返されます。この歌詞(君は君の人生を生きろこれは僕の人生だぞ)この歌のテーマと言うべきものなので、ここはビリーの歌唱部分と同様にちゃんと歌うと良いです。但しコーラス的に少し引いた感じで・・・
 ちなみにこの曲のコーラスはブラスロックのシカゴのメンバーが歌っていたそうです。

 この曲マイライフは洋楽で時々ある人々の生活や仕事にまつわることを歌ったものです。また住む場所に関わる歌でもあります。NY辺りでビシバシ仕事をして暮らすか、すこしゆるくLA辺りで生活するか。LAは暮らしやすいぞ(あくまでも70年代後半の話ですが)という誘惑に、主人公は「そっちだって良い話ばっかりじゃないだろ。僕はもう少しここでがんばるよ」とやせ我慢しているようにも思えます。どうでしょうか。


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