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書評「情景の殺人者」

こんばんは。Mickey★です。
9月からず~っとバタバタしていて、全然勉強できておらず、この3連休でようやく勉強が出来ました。勉強と言っても、ひたすら読書で、在庫管理とかプライシングの本を読んでいました。
世間的には、あれだけプライシングが重要と言っている割に書籍が全然なく、学問としても確立されたのは、1980年代と比較的新しい学問のようです。
さて、そんな勉強の合間の息抜きで森先生の新刊を読みました。

この本をオススメしたい人


1.自分が不幸と感じている人
2.ミステリーが好きな人
3.解釈に自由度がある作品が好きな人

この本のあらすじ


真っ白い雪の上、胸にナイフを刺され、血を流して横たわる美女。被害者どうしに接点はなく、時期も場所も異なるが、現場の状況には類似性がある一連の殺人事件。最初の被害者の夫が撮った映画には、事件を彷彿とさせるシーンがあった。女性二人の探偵事務所に持ち込まれた浮気調査は、映画監督で舞台演出家、作家でもある彼の二人めの妻に関わるものだった。浮気の証拠を掴むための張り込み中、都内では珍しく積もるほどの雪が降り始めた。

honto/https://honto.jp/ebook/pd-series_B-MBJ-20062-125974305-001-001.html

謎解きよりも会話が面白い

プロローグは、いつもに比べて重々しいです。冷水に長い間、顔を浸しているような苦しさを感じました。XXシリーズは、森先生の人格とは、相容れないキャラクターが多く、前々作の「馬鹿と嘘の弓」では、読了した後に2,3日くらい、気持ちが暗くなりました。
XXシリーズでは、加部谷が登場するけど、Gシリーズから年齢も経っているからか、不幸を背負ったような感じをずっと引きずっています。
小川が加部谷を観察した時に『放っておいて欲しい、一人にして欲しい、とバリアを張り巡らせていた。あれは、何だったのだろうか、ああすることでしか、痛みを和らげることができない』という表現があるが、若い時あるあるな気がしました。ありのままを受け入れられる方が気持ち的に楽なのですが、ありのままを受け入れられないどころか、悲観的に考えてしまうのが、若い時あるあるだなと思います。
XXシリーズは、事件よりもキャラクターたちの何気ない会話がくすっと笑えます。ちょっとした冗談とか、あんまり論理的でない推理合戦が30~40代の女性には受けそうと感じます。
本作では雨宮と加部谷が一緒に住むのですが、紅茶をTバッグで淹れた後の、それぞれの対応や朝食の様子とか、一緒に住むことでわかる生活感の違いが垣間見えて面白いです。
森先生の作品の特徴として、犯人の動機は全く明かされません。この辺りは、読者の想像に任せられているので、自由度が高く、このような作品が好きな人は、是非読んで欲しいです。


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