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ひいおじいちゃんとひいおばあちゃんの話


ちょっと、

将来「これなんやろ」って捨てたらあかんものやから、あんたも見とき

そう言われて見せられたのは、旧石器時代の遺物だったーー。


あまり話を聞かないのは、両親も知っていることが少ないからだろう。

父方の曾祖父・曽祖母は、身内が言うのもなんだが超エリートだ。


曾祖父は今も有名なK大学で考古学の教授をしていた。
専門は旧石器時代。

件の遺物とは、鋭利なヤジリだったり、ツルツルの磨製石器だったり、小さな斧みたいな石器だったり…
「なんか歴史の教科書で見たことあるな〜」というものが、白い緩衝シート(ミラマットと言うそう)に丁寧にくるまれていた。


曽祖母は画家だった。若い頃はマッカーサーのメイドとして働いていたらしい。
あの時代に英語を話せる日本人なんて、ごくわずかだったろう。グローバルな現代でも生きていけそうである。


そんな2人の間に育った祖母はアンティーク調のかわいいものが大好き。バリバリ働くイメージは全くない。昭和初期に趣味でバイオリンを弾けるくらいだから、本当にお嬢様だったんだろうなあと思う。




ひいおじいちゃんとひいおばあちゃん。
大正・昭和の人だけれど、平成・令和にいてもおかしくない経歴。

もし現代に生まれていたら、どんな人生を歩んだのだろう。

何を考え、何を想い、その時代を生きたのだろう。

インターネットという便利ツールがないからこそ、その生き方にロマンを感じます。


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