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【南アジア26】地獄のトレッキング

オヤジさんのトレッキングショップで防寒着を借りて、いざ出発。

ガイドはオヤジさんの弟で、21歳のヨーク君。めちゃくちゃ気のいい奴で、「ビッグプロブレムねー」と簡単な英単語だけで会話を成立させ、語尾につける「ねー」が何とも気さくな男だった。

車で山奥の入口まで行き、チャイ屋で買った朝飯のパンを食べながら歩き始める。

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徐々に山は深くなる。

時折、霧が漂う中、急峻な山道をひたすら登り続ける。

すぐに息が上がり始める。これまで登山経験はまったくのゼロだ。上に歩くというのはこんなにきついのか。

高度が上がるにつれ、どんどん足が進まなくなる。1、2歩進んでは立ち止まる。

なんだこれは。体が鈍りのように重い。誰かに後ろから引っ張られているようだ。

あまりにペースが上がらないので、見かねたHくんが、荷物を持ってくれた。

二人分の荷物も意に介さず、グングン登っていくHくんは静岡出身。富士山を自衛隊と同じペースで登ったことのあるほどの健脚だった。凄まじい体力に恐れ入った。

ポカラではこちらの方が体調がまだましだったので、代わりに買い出しなどしていたが、山の上では完全に形勢逆転だ。本当に助かった。

夕方6時少し前。

最後の石畳の坂道を、よぼよぼのおじいちゃんみたいな歩みで登りきり、なんとか今日の目的地、ウレリ(ULLERI)村のナマステゲストハウスまで来ることができた。

標高は2000メートルを少し超えた程度だが、Hくんがいなければ、おそらく途中で気絶していただろう。

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今日頑張ったので、明日の道程は今日ほどは大変ではないというが、果たして。

しかし異様なほど体力を消耗した。2000メートルとは言え、一気に高度を上げたので軽い高山病かもしれない。

ヨーク君のハイテンションに乗せられて、はしゃいで記念写真を撮ったが、このあとトイレまで間に合わず軽くクソを漏らした。

回復途上だった体調も再び悪化しはじめた。

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