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【南アジア26】地獄のトレッキング
オヤジさんのトレッキングショップで防寒着を借りて、いざ出発。
ガイドはオヤジさんの弟で、21歳のヨーク君。めちゃくちゃ気のいい奴で、「ビッグプロブレムねー」と簡単な英単語だけで会話を成立させ、語尾につける「ねー」が何とも気さくな男だった。
車で山奥の入口まで行き、チャイ屋で買った朝飯のパンを食べながら歩き始める。
![画像1](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/33061033/picture_pc_e2a95166410d559c2ecf3bad2c40dc7f.png?width=1200)
徐々に山は深くなる。
時折、霧が漂う中、急峻な山道をひたすら登り続ける。
すぐに息が上がり始める。これまで登山経験はまったくのゼロだ。上に歩くというのはこんなにきついのか。
高度が上がるにつれ、どんどん足が進まなくなる。1、2歩進んでは立ち止まる。
なんだこれは。体が鈍りのように重い。誰かに後ろから引っ張られているようだ。
あまりにペースが上がらないので、見かねたHくんが、荷物を持ってくれた。
二人分の荷物も意に介さず、グングン登っていくHくんは静岡出身。富士山を自衛隊と同じペースで登ったことのあるほどの健脚だった。凄まじい体力に恐れ入った。
ポカラではこちらの方が体調がまだましだったので、代わりに買い出しなどしていたが、山の上では完全に形勢逆転だ。本当に助かった。
夕方6時少し前。
最後の石畳の坂道を、よぼよぼのおじいちゃんみたいな歩みで登りきり、なんとか今日の目的地、ウレリ(ULLERI)村のナマステゲストハウスまで来ることができた。
標高は2000メートルを少し超えた程度だが、Hくんがいなければ、おそらく途中で気絶していただろう。
![画像2](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/33061036/picture_pc_1a882b826ce5d98bc315196591a5dce9.png?width=1200)
今日頑張ったので、明日の道程は今日ほどは大変ではないというが、果たして。
しかし異様なほど体力を消耗した。2000メートルとは言え、一気に高度を上げたので軽い高山病かもしれない。
ヨーク君のハイテンションに乗せられて、はしゃいで記念写真を撮ったが、このあとトイレまで間に合わず軽くクソを漏らした。
回復途上だった体調も再び悪化しはじめた。
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