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【シリア2】パルミラ遺跡とべドゥイン族のテント
パルミラ遺跡は、砂漠の中から突然現れた。ローマ帝国支配時の都市遺跡だが、イタリアのフォロ・ロマーノよりも広大かもしれない。欧米のツアー客がちらほら見える。
墓の保存状態はいいなと思っていたら、いきなり「ニホンジンデスカ?」とおかしな日本語で話しかけられた。
「ワタシハ、スズキタカシ、デス」という。何でもサッカーの中田英寿もガイドしたことがあるそうで、「地球の歩き方」にも載っている有名人らしい。写真やコメントを見せてくるので強引な客引きなのかと思ったが、今日はイタリア人のガイドをするそうで、言いたいことだけいったら、風のように去っていった。
遺跡は見る順番も特になく、気ままに歩き回る感じ。保存状態がいいものもあれば、地震の後のようにボロボロなものもある。
ベル神殿や円形劇場、四面門はきれいに残っていた。
やはりシーズンオフなのだろう。歩き始めてみるとツーリストも数えるほどで、ラクダもいない。
サンセットを見に、アラブ城近くの山へ。眼下に広がる遺跡と街並みは圧巻だ。写真が残っていないのが、本当に悔やまれる。
紀元前にこんなモノを作っていたわけで、ローマの歴史、アラブの歴史の偉大さを感じる。当時の日本は弥生時代なんだから。
夕刻から、ベドウィン族のテントへ。大きめのゲルみたいなテントだ。
一応客人だからか、上座を促され恐縮する。
薪で暖をとり、家主がベドウィンコーヒーを入れてくれる。イタリアのエスプレッソ並みに少量。物凄い苦い。2杯。
続いて、返盃のように家主がコーヒーを飲み返す。
次はチャイだ。甘くておいしい。5、6杯いただいたい。
家主は、このテントに5、6年住んでいるそうだ。周りにもいくつかテントがあり、ベドウィンの人たちが住んでいる。遊牧民というが、ある程度定住して観光客相手に商売した方が割がいいのだろう。時代とともに生き方が変わるのは世の常だ。
巻きタバコでハイになり始めた家主をおいて、帰路へ。
ベドウィンの人々の姿は、最近テレビによく映るテロリストと同じような格好だが、当たり前だが怖くもなんともない。物凄い紳士的だし、穏やかな人たちだった。赤いスカーフがベドウィンの証なのか。街の露天の店主の中にも、多くみられた。顔立ちがやや濃い。
昼食が多かったので、腹が空かず宿の周りを散歩する。ネットカフェを見つけた。日本語は使えないが、環境はかなりいい。メールもチェックできた。スタッフはmacbookproなんか使ってた。
「Welcome to Syria!!」
街を歩くと子供たちからよく声をかけられる。無邪気でかわいいな。
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