【パキスタン4】風の谷のフンザ
2日ぶりのベッドでぐっすりと眠れた。
7時過ぎに目が覚め、外に出ると透き通った青空が広がっていた。爽快だ。
ただレディーフィンガーにはあいにく雲がかかりよく見えない。
谷底の川へ行ってみた。
急勾配の坂を下り、岩場を伝って何とかたどり着いた。
見上げると200、300メートルは下りてきたようだ。
河川というか、濁流、土石流のような。その近くで、人々が畑を耕していた。
途中、ドボっと沼にはまりスニーカーがびちょびちょになったが、1時間もしたらカラカラに乾いた。
標高は2500メートル前後。高地でひんやりしているが、日中の日差しは結構強い。
川を眺めながら、ボーッとしているとどんどん話しかけられる。アジア屈指の人気エリアだから旅人も多いとはいえ、みんな人懐っこくて、積極的だ。
この地ではイスラムといっても、女性がブルカも着ずにガンガン歩き回っている。おばさんたちの服装に関しては、ナウシカのほぼマンマだ。
時折、風が止むこともあるが、谷底の雰囲気といい「風の谷」という表現もぴったり。本当にこの地から着想を得たのかもしれない。
すぐ北側がタジキスタンなので、ヨーロッパ的な顔立ちの人も多い。女の子たちは目がくりくりと大きくて、とても可愛い。
宿に戻ろうと思ったのだが、なぜか小学校に迷い込んでしまった。子供たちの帰り道のようだが、女の子たちがガンガン話しかけてくる。イスラムとは思えん。違う国に来たみたいだ。
体を動かすと、ちょっと頭が重くなり、高山病のような症状。水分補給に寄ったホテルがめちゃくちゃきれい。フンザ人気を当て込んで建てたはいいが、客がいないそうで、R500でいいという。本気で移ろうかと思ったが、バザールまで歩くとかなり遠いのでやめた。
今泊まっているHill Topも今年は客が少ないと嘆いていた。テロの影響なんかもあるのだろう。イメージは怖いな。
ホテルでシャワーを浴びて、今度は村の上側へ行く。
何とかフォートとかいう王様の城があった。入場料がR300と高いので、外周だけ歩いたが、しかしこんな辺鄙なところに王国があったとは信じられない。
このフンザからさらに北側の「ススト」まではローカルバスで簡単に行くことが出来そう。
ひとまず途中の「アリアバード」まで来てみた。
R10。20分足らずだった。
正直、こちらの方が栄えている印象。各地へのバスも多い。フンザの人たちも買い物はここでしているのだろう。
スストまでは、R90。朝9時頃にはバスはありそうなので、それなら中国との国境のクンジュラブ峠まで行けそうだ。
帰りのバスを待っているとイギリス人が話しかけてきた。安い宿を知らないかという。カリマバード(フンザ)まではR10で20分くらいだよと教えたら、行こうかどうか迷っていたけど「BOSSは彼女だからわからない」と笑っていた。恋人同士で中国から来たらしい。パキスタンは4週間の予定とか。うらやましいな。
フンザに戻り、土産物屋で油を売る。
「フンザの女性たちはみんなきれいだね」というと、
「そうだろ。でもな、イスラムだから遊んだりはできないぞ。結婚しなきゃならんからな」
とニヤニヤしながら、「Wife is knife、Wife cut life」という格言じみた言葉を教えてくれた。
イスラムと言っても、女性に頭が上がらないのは万国共通のようだ。
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