【東南アジア11】プノンペンで体調不良
朝5時に起きると体がだるい。
それはそうだ。トラックの荷台でスコールを無防備に何時間も浴びていたのだから、風邪をひかない方がおかしい。
飯もまずい。
もうこんな国は嫌だ。7時発のボートで東南アジア最大の湖トレンサップを縦断して、首都プノンペンに向かった。
シェムリアップからプノンペンまでは、バスもあるが、トラックがあの調子では、そのバスもどうなるかわからない。
国の発展度合いと水面の滑らかさは無関係のはずだから、その点ボートの方が時間は読める。「スピード」と名のつかない、もっと遅くて安いボートもあるが、今回は体調を考慮した。
25ドル。5時間ほどで首都プノンペンについた。
港をあがると、ドラクエみたいにいきなり10人近い客引きに囲まれた。
その1人と目が合った。男はニコッと笑うと「キャピタル、キャピタル」と連呼した。
ここが首都なのはわかっている。「イエス、イエス、アイノー」と答えたのが悪かったのか。僕はその瞬間、男の客になってしまったようだ。他の客引きが近寄ってくるとものすごい剣幕で追い払う。「OK、コイコイ」と強引に手を引っ張られた。
押し込まれたタクシーで着いたホテルが、キャピタルホテル。男はホテルの名前を連呼していたのだ。
ホテルは抜群だった。4ドルと安く、しかも清潔。
「いいホテルだね、ありがとう」と男にお礼を言うと、手を出して2ドル払えと言う。ホテルが4ドルで、客引きに2ドルは高すぎる。2円がいいとこだ。
といっても男も仕事だ。なかなか引かない。ドル払いのお釣りで増えていたカンボジアリエルで、2000リエル、多分50円くらいか、それで手を打った。
プノンペンの街は想像以上に発展していた。高い建物も並び、通り過ぎてきた村々とは異世界の様相だった。
東洋のパリと謳われるフランス植民地時代の街並みが残るそうだが、歩き続けるうちに体調が悪化してきた。
おとなしく宿に帰り、日本から持ってきた総合感冒薬PLを飲んで寝た。
明日の朝ベトナムへ向かう。
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